横浜CLEAR'Sを2年4か月にわたって牽引してきた「白戸マユ」さんの卒業ライブが、満員となった新宿レッドノーズで行われた。
また、高校2年生の研修生「蔵持ひなた」さんと「鈴森かほ」さんもこのライブで卒業、横浜CLEAR'Sとしては無期限休止に入ることになる。なお、3人全員、アイドルは続けないとのこと。
白戸マユさんは現在18歳の大学1年生ということだが、その落ち着いた雰囲気と対応の良さは、その年齢からみれば卓越している。なぜこのようになれたのかはわからないが、思うに、横浜CLEAR'Sに入ってからの経験によるものではないか。
横浜CLEAR'Sのメンバーが白戸さん1人になってもくじけず、スマイルのメンバーとして活動した期間の心中を察すれば、思い描いた理想と集客や大きな会場でのライブすらかなわないアイドルとしての現実のギャップに失望したのかもしれない。
それでも、1人となった横浜CLEAR'Sに研修生2人が入ったことは、白戸さんにとって大きな喜びだったようだ。5月に兼任していたスマイルメンバーとしての活動を解除され、横浜の番長として夏にかけては多くのライブを行い、精力的に活動していたように映った。
しかし、すでに腰を悪くしており、8月のスマイルメンバー生誕祭での特典会は、笑顔でありながらも椅子に座ったままで、深刻さをうかがわせていた。
さて、この卒業ライブは、1曲目から涙を流した鈴森かほさんとは対照的に、白戸さんがライブで涙することはなかった。白戸さんが涙ぐんだのは、横浜が1人になった時のつらさと、研修生2人が入った時の喜びを振り返った時だけだった。
それは、アイドルとして精一杯やったことで笑顔で終わりたい気持ちと、次の目標を見据えているからこそではないか。
その姿勢は、学業と両立しながら横浜CLEAR'Sで活動してきた自負と、1人になっても、腰を悪くしても、ネガティブさを外には出さず、クレバーさを備えつつ笑顔でこなし続けた経験が、白戸さんの「18歳には見えない、卓越した」人間性を育てたのだと感じた。
最後の特典会で白戸さんは、話の初めが自分のことより東京CLEAR'Sメンバーの名前を出すなど、最後までファン思いの神対応だった。
私は「これだけ頭の良い、クレバーな人はいない。他の分野で大成できる。」と白戸さんにエールを送って終わった。頭の良い、クレバーな18歳はあまたといるが、横浜CLEAR'Sとしてのさまざまな経験は類をみない。いつかアイドル以外の分野で報われる日がくると信じたい。