10月28日に千秋楽を迎えた舞台「パンクドランカー」を、満員となったラゾーナ川崎プラザソルで観劇した。
この舞台に東京CLEAR'S「沢辺りおん」さんが出演することで観劇したのだが、この舞台、演者の情熱と言葉の力によって、胸の奥から発熱を感じられるほど、素晴らしい舞台だった。
これはパンクロックを結成するも、メンバーの衝突で活動中止となり、15年後にメンバーが再会して紆余曲折しながら引退ライブを行うまでを描いた作品。
「どうすれば売れるのか(わかっていたら誰もがそれをする)」「カッコ良いように見せるのがカッコ悪い」「好きなように歌うのではなく、ファンの想いをのせることが大切」
などは、演者のみならず、応援する側も共感できるフレーズだ。
そして、15年後の再会がかなったのは、「気持ちを閉じ込めることができない」ということ。夢に出てくるほど好きなパンクロックをオッサンになったからあきらめるのではく、年齢は関係ないのだ。
この舞台はパンクロックこそテーマになっているが、ジャンルを問わず、観客のひとりひとりに「カッコ良く見せようとせず、やりたいことをひたむきにやってほしい」と体現しているように感じた。
この舞台を立派にこなした沢辺りおんさんや、観劇したメンバーは、どんな感想を持っただろうか。
この演者たちと通ずる部分があることに気付いているなら、胸にくすぶる熱をステージで思い切り発揮して、観客の胸を揺さぶってほしい。そうすることで、応援する側も年齢に関係なく、「思い切り応援し続けたい」と思えてくるのだから。