ZenBeatsで学ぶ音楽理論9 テンションコード
ジャズや時にR&Bで使われるコードにはテンションコードという複雑な響きを持った和音が日々、使われています。
ロックやポップスで使われる add9(アッドナインス)などの省略形のコード進行の大元は、
テンションコードの9th(ナインス)、11th(イレブンス)、13th(サーティンス)から来ており、7thの省略形です。
対してテンションコードは、7thから9thなどのテンション・ノートをすべて含みます。
実際にポップスで使われるコード進行には、add9のような省略形、Sus4のようなコード進行が大半です。
しかし、一歩ジャズのような高級な音楽を鳴らそうとした時に、
7thを含んだテンションコードの完全形が必要になります。
それぞれ、メジャー&マイナーの調性の中で、テンションコードが形作られます。
そして各コードに対してテンションノートを規則に沿って付加して使う事ができます。
ただ、使用にはアボイドノートという和音の中で「音がぶつかる」音を外して使用する事が必要になります。
特に、V7には使えるテンションノートの種類が、より多く存在し、より深い学びが必要になるでしょう。(♭9thや#9thなど)
学ぶことでジャズのような深みのある響きのある音楽を鳴らし作曲する事が出来るようになるのです。
テンションとアボイドノート表 | ||
テンション | アボイドノート | |
Ⅰ | 9th、13th | 11th |
Ⅱ | 9th、11th | 13th |
Ⅲ | 11th | ♭9th、♭13th |
Ⅳ | 9th、♯11th、13th | なし |
Ⅴ | 9th、13th | 11th |
Ⅵ | 9th、11th | 13th |
Ⅶ | 11th、♭13th | ♭9th |
いろいろテンションコードには法則があるのですが、シンプルに記述しておきます。
弾いてみて、おかしくなければ大丈夫だと言えるでしょう。
長い西洋音楽の歴史の中で、現代では日常的に使われているSus4ですら禁則とされた時代があり、実際に使用しいるうちに認められている事も多々あります。現代音楽など、半音を並べるような(トーンクラスター)前衛的な音楽もあるくらいです。
また、エレクトロニックミュージック、エレクトロニカ、プログレッシブハウスなどにおいて、高級な和音でクールさを醸し出す時にも多用されます。ジャズのみでなく必須テクニックです。
「ヒント」一時転調を知ろう
プロフェッショナルの作曲には時折、一時転調というハイレベルな、まさにプロフェッショナルらしいテクニックが使われます。
それを知る事で、単純なコード進行から刺激的なコード進行へと楽曲をグレードアップさせることが出来るのです。
C-D7-G-F
のようなコード進行が一般的な一時転調の例の一つです。C調からG調へと一時的に転調しています。そして元のC調へと戻っているのです。
C -「D7-G」*G調 -F
という形でコード進行に刺激を与えています。
ドミナントからトニックへの解決という強い安定感を求めるコード進行の力によって、スムーズに一時転調が成立するのです。
「ヒント」現代のアニメソングは高級なテンションコードの多用が必要になる
現代のアニメソングは高級なテンションコードの多用が必要になる事が多いです。一見単純に聴こえるアニメソングを、よく聴いて楽曲のコード進行を理解してみると、高級なテクニックが、たくさん使われている事が分かるでしょう。