秋の夜長に… | メンズビギ マルイシティ横浜店 GM(ゼネラルマネージャー)の極私的ブログ

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今回の話は縮めようと思えば
たったの数行で終わるが、
秋の夜長だから引き伸ばしてみた…。


先日…
読む本がなくなったので本屋に行った。

新刊コーナーを覗くと、
私の好きな作家の一人
「白石一文」の文庫本があったので、
迷わず買った。


この本は自宅近くにある古本屋で
単行本として一度見かけたことがある。

言うまでもないが、
単行本とはハードカバーのことを指し、
文庫本よりもサイズが大きく値段も高い。
最新作の小説はまずこの形式で出版される。
それに対して文庫本は、
サイズも小さくソフトカバーで
単行本より数年後に発売されるのが常だ。

要は最新作をすぐに読みたければ
単行本を買わなければいけないし、
そうでなければ廉価な文庫本で済むのだ。

ところで…
我が家の本棚は決して小さくはないが、
いつも本で溢れかえっている。
それは私よりも遥かに読書量の多い
妻の本もあるからだ。

本棚をはみ出した本が
うず高く積み上がり始めると、
それが合図のように
私は仕方なく台車を牽いて
その古本屋へ時々売りに行く。

白石一文の単行本を見かけたのは、
確か今年初めのそんな時だった。
読みごたえのありそうな分厚い本で
面白そうだったが、
これから読む本が家に溜まっていた。

それにいくら古本とはいえ、
出版から1年程度らしいこの本は
それほど値が落ちてない。
もう少し待てば安くなるし、
収納しやすい文庫本だって
出るかもしれないから
その時は見送ることにした。

その後コロナ禍となって、
その本のことはすっかり忘れていた。

それが先日本屋に行った時、

『あ、あの時の本だ!』

と見つけたのがこの本だ。
モノトーンで文字しかない装丁が
印象に残っていたのだ。
しかも待望の文庫本だった。

私は家に帰り、
早速缶ビールを開けると同時に
その本を読み始めると、
僅か数行で気づいた。

あ、この本読んだことある!


ハイ。
ここまでの話は大して面白くない。
それは話を引き伸ばしたからではない。
同じ本をまた買ってしまったという
掃いて捨てるほどよくある話だからだ。
全く気づかずに
同じ相手と再び結婚してしまった!
というなら話は別だが…。


ところが…
実はこの話には続きがある。
縮めようと思えば数行で終わるが、
秋の夜長だから引き伸ばしてみよう…。


同じ本を買ってしまったことに
狼狽した私は、

『じゃあ、前に読んだその本は
 いったい今どこにあるのだろう?』

という疑問が涌き、
早速本棚を隈無く調べたが、
やはり無い…。
これはミステリーだ。

私は記憶の糸を手繰った。

本のあらすじはハッキリ覚えているから
確かここ数年の間に読んだはずだ…
しかも文庫本では辻褄が合わないから
読んだのは単行本のはずだ…

あ、まさか…

そうなのだ。
私が最初に読んだ単行本は、
1年ほど前にあの古本屋に売ったのだ。
そして再び古本屋に売りに行った時、
自分が売った本だと気づかずに
買ってしまいそうになったが、
すんでのところで思い止まった。
セーフ…。

しかしその約9ヶ月後、
再び強力な罠が私を待ち受けていた。
私はその罠の術中にハマってしまったのだ。
アウト!


ハイ。
ここまでの話も大して面白くはないだろう。
それは話を引き伸ばしたからではない。
話そのものに問題があったのだろう…。

でもいいのだ。
今回はヴァン・ヘイレンの
曲を貼り付けるために、
急遽書いただけだから…

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       秋の夜長に、血湧き肉踊る…

                      「Van Halen」
          ”Somebody Get Me A Doctor“

                             R.I.P  EVH

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メンズビギ横浜店  GMより