後ろに
下がれっ❗
これは、ある著名な歴史的人物の
示唆に富んだ名言や格言…ではなく、
昨晩の私の寝言である。
近くで就寝前の読書をしていた
妻の証言によると、
一言一句ハッキリと
毅然とした口調だったという。
かなり大きな声だったのは自分でも分かる。
自分の絶叫に驚いて、
目を覚ましてしまったからだ。
こんな私でも人並みに夢は見るが、
たいてい具体的な内容は、
起きたら忘れていることがほとんどである。
しかし昨晩の夢だけは、
その途中の経緯こそ覚えてないが、
最後の生々しい感触の瞬間だけは、
ハッキリ覚えていた。
「どうしたの？ どんな怖い夢見てたの？」
と妻が聞いた。
「いやぁ、ビックリしたぁ～。
カニがさぁ…」
“カニ”というのは、
両手がハサミになった
横歩きをする蟹のことではない。
ウチの店の店長中西のことである。
“な・か・に・し”の真ん中を取って、
“カニ”と名付けたのはこの私だが、
奇しくも彼が高校生の頃、ある友人にも
“カニ”と名付けられたことがあるそうだ。
どうやら私と同じ感性の持ち主らしい…
「え？ カニが何かしたの？」
夢の登場人物が“カニ”だと聞いて、
すでに笑っている妻に私は説明した。
「それがさぁ…、オレも途中までの経緯はサッパリ分からないんだけど、なぜかオレが大の字で寝てるんだよ。そして気がつくと、どういうワケか先の長い革靴を履いたカニが、オレの股の間にスッポリ嵌まって身動きがとれなくなってたんだ。アイツもパニックになって、どうにかして抜け出そうともがいてるんだけど、もがく度にオレの股間に爪先が当たって、その感触がなんとも言えなくてさ…。いまに踏みつけられるんじゃないかと恐ろしくなって、ついつい叫んだらしいんだよ。いいから後ろに下がれ❗って…」
妻は腹を抱えてゲラゲラと笑い出した。
「“いいから後ろに下がれっ❗”だって…」
と何度も口にしながら、
その笑いはかなり尾を引いていた。
苦しくてなかなか寝つけなかったようである。
いいから後ろに下がれっ❗
今考えると、
確かにこのセリフは自分でも可笑しい。
しかしこの場合、
それ以外に適切な言葉があっただろうか…
それにしても…
この夢は一体何を暗示しているのだろう？
それとも…
この夢には特に意味はなく、
台風接近による気圧の変化によって
もたらされた夢なのだろうか？
夢占いや夢診断というものがある。
夢に出てきたものや状況を元に、
現在の心理状態や
近い未来に起こる出来事などを判断する。
夢の内容には、
見えない世界や無意識領域からの
意味のあるメッセージが隠されているそうだ。
もちろん私は、
そんなもの怖くて知りたくもない。
気がつくと私の股間にカニが嵌まっていた…
だいたいそんな夢に
メッセージなんかあってたまるか！
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「Aerosmith」
“Drean On”
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メンズビギ マルイシティ横浜店 GMより
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