雨がすごい降ってる。
その癖に稀に晴れるから気象庁は「梅雨入り宣言」をしない。
朝から暗い。
気持ちのモヤモヤがまた膨らんで行く。
寝ることもできない。
しんどい。
話は変わる。突然変わる。思い出す。
色々、備えてたのに、
全然ダメだった。
大学3年の前期には全ての単位を取り、
3年後期と4年生は週1の授業以外、
全部就職活動に当てた。
会社説明会、会社訪問、
感触は悪くなかった。
「あなた明るいし、ちゃんとしてるから大丈夫だと思うよ」
大手の出版社の方に言われた。
そう、コミュニケーション能力はあるのだ。
タバコミュニケーションもなんのその。
そして、夏。
中央線沿い、小さな編集プロダクション。
面接。相手は3人。こちらは、3、4人?
「ここにいる人、怒らせて」
赤の他人を怒らせれるわけないだろ。
今思えば、圧迫面接ってやつだったんだろう。
誰も手出しできなかった。
真ん中の偉そうなおっさんは、
「できないなら、笑わせてみろ」
と言った。
私の横の人はその時流行りのギャグをやったと思う。
誰も笑わなかった。場は凍った。
私は自分のゲジゲジ眉毛を触らせた。
「私の眉毛、ゲジゲジで「たわし」みたいって言われるんです、ははは」
「ほんとだ笑」
ん〜、これは笑わせたというのだろうか。
ってか、なんなんだ、この空間は。
そのあと、3つの単語を含めた文章を作る試験。
確か、「地方出身の人の方が、東京出身の人間より、一旗あげてやる魂があるから、やる気がある、見習わねば」
みたいな文章を書いた。
1週間後くらい、
「夏にアルバイトをしないか?」
と電話がきた。
多分、そのままバイトをしていれば、そのまま入社だったのかもしれない。
でも
「人の心を怒らせたり、楽しませたりできなければ、この仕事はできませんよ」
と面接で言われ、
赤の他人を怒らせろ、などという、会社に入る気にはなれなかった。
「夏は他の就職活動もしたいので、アルバイトは辞退します」
それから、大手の出版社のエントリーシートは通ったものの、
筆記で落とされた。
面接で受かった某テレビ局も、
筆記テストの時間を間違えて、無しになった。
某有名おもちゃメーカーは、「この筆記わからなすぎる、絶対落ちたな」
と思って受かっていたのに、
メールボックスを確認していなかったら。
散々だった。
ダメだった。
そのあと、何社、受けたか覚えてない。
どれが自分位あった会社か、一向にわからない。
某有名アパレル会社、恵比寿の某有名ホテルで説明会。
質問がある人、有名大学の頭のいい人ばかり。
私の居場所じゃないな。
帰った。
某有名寝具会社。新宿の某有名ホテルで説明会。
なんか違う。
もうおかしくなってたのかもしれない。
恵比寿にあるスマホゲーム会社。
グループデスカッション。新しい企画を考える。
でも、最終面接で落ちた。
そのあと、その会社が新しく出したゲームは、
私がグループデスカッションで提案したものだった。
お世話になっていた先生の紹介で化粧品の会社を進められた。
同じゼミの友人と二人で面接に行った。
「受かるのは申し訳ありませんが、1人だけです」
もう、いい。
人を蹴落としてまで、受かりたくない。
提出を言われたレポートは適当なものを出した。
もう限界だった。
時間も計画も、将来も、全部、全部、無駄だった。
就活を大してしていなかった友人は、
適当な会社にみんな受かっていった。
大学の卒業式には、
出なかった。
アドレス帳も、
全部、
消した。
誰にも会いたくなかった。
恥ずかしかった。
死にたかった。
消えたかった。