親子のコミュニケーションを

スムーズにして

隠れLD(学習障害)キッズの

成長を加速させる

 

発達科学コミュニケーション

トレーナー はしもと理英です。

 

 

 

新しい環境や、

はじめての場面になると急に動けなくなる。
行こうとしない。

考え込んで止まってしまう。

 

 

「どうして動かないの?」
「考えすぎじゃない?」
「とりあえず行ってみたらいいのに」

そう感じたことはありませんか?

 

親としては、一歩踏み出してほしい。
いろんな経験をしてほしい。

 

でもその一方で、動かない姿を見ると、

「そんなに臆病で大丈夫かな」
という不安も出てきます。

 

 

新学年や期の始めが近づくにつれて、

息子は口数が減り、機嫌が悪くなってました。

 

ある日、

「始業式、行った方がいいかな?」

と聞いてきたことがありました。

 

私はどう答えるのが正解なんだろうと止まりました。

でもその問いは、

行くかどうかの相談というよりも、

「行かない自分でも大丈夫か」

を確認しているように感じたのです。

 

だから私は、

行くか休むかは自分で決めていいこと、
今は家にいても大丈夫だということを伝えました。

 

するとそのあとゲームを始めると、

「発表とかするのって好き?僕は絶対いや。ミスったら嫌だし」

と話しているのが聞こえてきました。

その言葉を聞いたとき気づきました。

 

失敗が怖い子どもは、

ただ動けないのではありません。

脳の中で、この一歩は安全かどうかを確認している状態。

 

例えば学校に行くという行動ひとつでも、

脳の中では

・うまくできるか
・失敗しないか
・どう思われるか

といった未来の予測が一気に走ります。

 

ここで、「失敗=否定される」という記憶が積み重なっていると、

扁桃体(情動の司令塔)が強く反応し、

脳は危険を避ける方向に働きます。

 

すると、前頭前野(考える脳)が働く前に、

「やめておこう」
「動かないでおこう」

という選択が優先されます。

 

でもこれは、何もしていないのではなく、

傷つかないための準備や確認をしている状態です。

 

つまり止まっているように見えて、

脳の中では一歩を出すための準備が進んでいるということが、

その裏で起きているのです。

 

もしこのとき、

「とりあえず行ってみたらいい」
「考えすぎ」

と一歩を急がせてしまうと子どもの中では

不安なまま動かされる状態が積み重なっていきます。

 

本来は「これなら大丈夫かもしれない」

と安心の条件がそろったときに、

前頭前野(考える脳)が働き、行動につながっていきます。

 

でも、その確認の途中で背中を押されると、

扁桃体(情動の司令塔)が強く反応し、

脳は防御モードに入ります。

 

すると行動するどころか、

・さらに止まる
・避ける
・やらない

という反応が強くなっていきます。

 

そしてその経験が続くと、

「やる前から怖い」
「どうせ無理」

という予測が強くなり、

挑戦すること自体を避けるようになっていきます。

 

だからこそ大切なのは、

どうやって動かすかではなく、

安心して一歩を出せる状態を整えること。

 

確認する時間を持てたとき、

「行ってみようかな」と思える瞬間が生まれます。

 

その一歩は、やらされた行動ではなく、

自分で選んだ行動になります。

今このタイミングで関わりを変えることで、

「動けない」から「自分で動き出せる」

へと変わっていきます。

 

 

「行った方がいいかな?」と聞かれると

どう背中を押すか、
どうしたら行ける状態にできるか、

そんなことばかり考えていました。

 

でもその関わりは、

無意識に「行く前提」を乗せています。

 

だから私は、行かせることではなく、

選べる状態をつくることに意識を変えました。

 

「行ってもいいし、行かなくてもいい」
「今は家にいても大丈夫」

そう伝え、どちらを選んでも否定されない状態をつくりました。

 

すると息子は、すぐに動いたわけではありません。

でも、ゲームの中で学校の話をしたり、

友達に自分の苦手を言葉にしたりと、

少しずつ外に出す姿が見られるようになりました。

 

そして、自分の中で考える時間を重ねたあと、

「久しぶりに行ってみる」

と自分で決めて動こうとしました。

 

以前はつねに動かそうとしていました。

でも今は、動き出すための準備を支える関わり

に変わりました。

 

「失敗しても大丈夫」
「分からなくてもいい」
「自分で決めていい」

この安心が積み重なったとき、

子どもは少しずつ、

自分で一歩を選べるようになっていきます。