地学基礎 地質時代その2 古生代 | はし3の独り言

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 一目で生物だと分かる化石は、多細胞で、骨格や殻など、硬い構造をもつ生物のものです。こういったものが出てくるのはだいたい、5.4億年前より新しい地層からなのだそうです。だから、以降の地質時代は「顕生代(生物が顕れる)時代」と呼ばれます。

 

 顕生代は大きく、古生代、中生代、新生代に分けられまして、これは3つだけですから、覚えやすいです。

 

 そう、3つならなんとか覚えられるんですよねー。

 

 

 ところが、古生代が6つの紀に細分されているので、覚えにくいです。しかし、ここを乗り越えると、地学基礎レベルでの地質時代の順番の暗記にぐっと近づけます。まずは古生代に的を絞って、やっつけてしまいましょう。

 

 繰り返しますが、ヒトの能力なら、3つならなんとかなります。

 

 そこで、古生代は古いほうから、「カンブリアっ、オルドビスっ、シルルデボーン」、と、最初の4つの紀を1フレーズにまとめることをお勧めします。

 

 呪文のように10かい唱えてみてください。でぼーん、と、いう響きがフランス語風でいい感じですねえ(イギリスの州の名前なんですがね)。

 

 地質時代の覚え方については、ネットで検索すると上品なやつから下品なものまでたくさん出てきますが、語呂合わせに無理があるし、あまり実用に向きません。

 

 「カンブリアっ、オルドビスっ、シルルデボーン」、と、古いほうから4つを一つにまとめ、そこに、「石炭」、「ペルムっ」、と、加えて、3つにしてしまいます。3つにすれば、実力で覚えられます。

 

 地質時代は主に動物の化石によって区分されていますが、「カンブリアっ、オルドビスっ、シルルデボーン」、と、唱える間に、今いる生物の元になったバージェス動物群から始まって、脊椎動物は一気に魚類、両生類になって、上陸に成功します。無脊椎動物も上陸して、原始的な昆虫が出現していますね。ここまでを一くくりにしてしまうのです。

 

 さて、次の「石炭」紀は文字通り石炭ができた時代で、植物はコケから大型の木生シダや裸子植物まで進化していないといけません。陸上に木生シダの森林が発達し、原始的な動物や昆虫がうろちょろしている光景をイメージしやすい。

 

 なお、この時代の植物が石炭として残ったのは、当時、木化に使われるリグニンという物質を餌にする菌類が、まだ十分に進化していなかったからとされています。今はプラスチックを分解できる菌がいなくて環境中に残ってしまって問題になっていますが、石炭紀には木材が腐らず残ってしまったのです。

 

 このころ陸上植物の繁栄によって大気の酸素濃度は35%にまで上昇したそうです。また、炭素は、死んだ植物がいつまでも分解されずに残ってしまったためにうまく循環しませんでした。二酸化炭素は激減し、温室効果ガスを失った地球大気は後に寒冷化を引き起こします。

 

 

 

 「石炭」紀は、また、脊椎動物が哺乳類と爬虫類に分かれていった時代にもなります。もう、こんな時代から2つのグループの競争が始まっていたのですね。

 

 ここで言う哺乳類とは横隔膜を使って肺呼吸を、爬虫類は気嚢(のう)システムを獲得したグループになります。

 

 哺乳類の横隔膜を使った肺呼吸は換気の効率という点で、明らかに爬虫類の気嚢(のう)システムに劣ります。けれども古生代は酸素濃度が高かったため大きな問題にならず、ペルム紀までは、哺乳類は爬虫類に負けない勢いで繁栄したようです。

 

 ところが、ペルム紀の終わりに地球史上最大の大量絶滅が起きて、事態は大きく変化しました。生物種の9割以上が絶滅したという未曽有のイベントののち、地球大気の酸素濃度は今の半分くらいの12%まで低下していきます。

 

 詳細はとても難しい話になるので省くとして、古生代に続く中生代は低酸素の時代であり、横隔膜を使った呼吸をする哺乳類は不遇の時代を迎えます。陸上の覇者の座にくことになったのは、気嚢(のう)システムを持ち、低酸素の環境に強い爬虫類のほうでした。

 

 古生代はペルム紀末の大量絶滅事件で終わりです。

 

 ところで、これまでに5回あったとされる生物の大量絶滅のうち、古生代だけで実に3回が起きています。1回目はオルドビス紀末、二回目はデボン紀末、そして、史上最大規模とされる古生代を終わらせたペルム紀末の大量絶滅で3回目です。

 

 絶滅の時期は、 「カンブリアっ、オルドビスっ(どーん)、シルルデボーン(どーん)」、そして「石炭、ペルムっ(どどーん)」、と、しておけば、覚えられなくはないでしょう。

 

 その他、無脊椎動物の貝類は、そんなに多くないので、教科書レベルで覚えてください。