市販のチリメンジャコのパックの中には、海生のプランクトンや稚魚が紛れ込んでいることがあります。チリメンモンスターと異名をとっており、小学校理科の教材として使われることも多いそうです。
海生プランクトンの観察なんて、面白そう。きっと生徒も喜ぶ。高校生物の授業でも使えるものが混じっていないか、調べてみましょう。
チリメンジャコ(乾燥シラス)の中に、カタクチイワシやウルメイワシの稚魚でないものが混じることは、本来、自然なことなのですが、商品価値を下げてしまうために、丁寧に取り除かれるそうです。チリメンモンスターに出会うためには漁港に近いところで買うのが良いとのこと。そこで、今回は空振りを避けるため、スーパーの魚売り場ではなく、焼津さかなセンターまで行ってきました。
さっそくチリメンモンスターたちを探しますと、すぐに見つかります。なるほど、これなら顕微鏡を使えない小学生で探せますね。これは、カニですね。
パックの中を丁寧に探し、モンスターたちを集めます。カニ以外には小魚が見つかりました。いったいなんていう種類でしょうか。形からしてイワシ、じゃなくてアジの類かな。
カニの幼生もいました。この段階は。尻尾があるから「メガロパ」です。
カニの幼生はプランクトンとして浮遊生活を過ごします。成長段階によって、「ゾエア」、「メガロパ」、と、呼ばれ方が変わります。
「メガロパ」の段階を過ぎますと、お馴染みのカニの形になります。浮遊生活を過ごすこの時期までは、伸びた尾部が目立ちます。
同じ網にかかったということは、多分、同じ種類なのでしょう。きっと、メガロパの段階を過ぎてカニの形になったばかりのものです。
拡大すると、みんなモンスターの名にふさわしい面構えです。
まあ、拡大してしまうと、イワシの稚魚もなかなかなのものです。ぎょろりとした眼に大きな口。まるで深海魚みたいです。
面白い。高校生物の教材としても十分に使えそうです。恥ずかしながら、私は今回、カニのメガロパ幼生を初めて見たので、勉強になりました。
話では、タツノオトシゴなど、レアな種類が見つかることもあるらしい。ぜひ、生物の系統や分類の授業で使ってみたいと思いました。