牧ノ原台地というのは、東海地震の起こるたびに少しずつ隆起して作られた丘陵である。100万年くらい前は大井川の扇状地だったが、今では高いところで標高が200m程もある。いったい何十回の東海地震によってここまで高くなったのかと思うと恐ろしくなり、やっぱり地震の備えでもしようかな、という気持ちになる。
今ではご覧の通り、どこまでも茶畑が広がるのどかな場所となっている。赤土なのは、大井川の上流に赤石山脈があるからだろう。酸性土壌となっており、水はけがよく、茶の栽培に向いている。
お茶どころ静岡では見慣れた風景なのだが、他県から来た人がこの風景を見たら、地平の彼方まで続いているお茶畑の広さに、ただただ呆然とするばかりだろう。
今回のサイクリングでは、藤枝から島田、金谷に抜け、牧ノ原市を通って掛川に行き、菊川に下った。帰りは再び牧ノ原を越えた。知っている人なら、
えっΣ( ̄□ ̄;)、自転車で行ったの?どうかしているんじゃない?
というような、距離と標高差である。普通の人なら、けっして自転車で行こうとは思わない行程なのだろうが、ロードバイクに乗っている人なら、ばかげた距離でも自転車で走りたくなる気持ちを分かって貰えるのではないだろうか。
確かに予想以上にきつかったが、紅葉も見れたし、牧ノ原の成り立ちについても考えることができたので、けっこう充実していた。
帰りに寄った牧ノ原公園では、臨済宗の開祖「栄西」の像を見ることができる。日本に喫茶の習慣を始めに取り入れた人物だからだ。お茶どころ静岡県民にとっては恩人といえる。
そこから大井川を見ながら下ると、新金屋駅がある。ここはSLで有名な大井川鉄道の始発駅となっている。サイクリングの途中で寄って、SL来ないかなあ、なんて思っていたら、本当に来た。SLは、アナログ的な印象があって、味わい深い。汽笛の音が夕焼けによく似合っていた。
大井川を越えて、これまで通ってきた牧ノ原台地を遠目で見ると、この丘陵が地震のたびに高くなっていたことが信じられない。でも、本当のことだから仕方がない。牧ノ原台地の地層からは河原の石も、海に棲む有孔虫の化石も出るのだ。
そして、もうすぐ家というところで、再び「木村屋」の鯛焼きで疲れを癒した( ̄ー ̄)
鯛焼きの衣が、いつになく薄い。中のあんこがはみ出しそうだ。ふとお店のおばちゃんを見ると、ニコニコしていてとても機嫌が良さそうだ。
ぱくっと一口食べてみると、
「あ、あつっΣ( ̄□ ̄;)」
おばちゃん、いくらなんでも、あんこを入れすぎではないのか~?と思うくらいアツアツの中身が指にまで垂れてきて、食べるのに苦労した。
普段なら胃にもたれそうなボリュームなのだが、サイクリングの後とあって、2匹を美味しく食べることができました。次来た時も、こうだといいな。