「~って訳で、何か変でしょ?!」

「…お前そんなに土産が欲しかったのか?」

「だから違うってば!何で皆して同じ事言うのよ?!」

ユーリの話を終始興味無さそうに欠伸混じりで聞いていた磯良だったが、
がしがしと頭を掻きながらやけにキッパリと言った。

「とりあえず…滝に行くのは止めろ」

「へ?何で?あー、もしかして磯良さんって『霊感ある人』なの?
 『地縛霊に引かれるから行くな』とかそう言うこと?」

冗談まじりに聞き返すユーリに磯良はやはり頭をがしがしと掻き憮然とした表情で、

「あ~、…まぁ、大体そんな感じだ。似たようなもんだ。
 あそこの滝には特に性格の悪りぃのが昔っから居るんだよ。
 死んじまった奴は気の毒だが、余計な事に首突っ込むのは止めろ」

磯良の醒めた物言いにカチンと来たユーリが思わず言い返す。

「そんなー…霊とかそんな事で悠人君死んじゃったって言うの?
 幽霊なんて絶対居ない!とは言わないけど、そんなことじゃ納得出来ないよ!!」


「いやあのな、だから霊って言うのは喩えであってだな、
 デカイ声じゃ言えないけどZ町のその滝には俺の記憶が確かなら実際居る筈なんだよ」


「だから何が!?」


「だから――…何かそーいうモンが、だよ」


「はぁ?もーさっぱり訳が分かんないよ。私やっぱり実際に行ってみる。」


「おい、止めとけって!本当にヤバいんだってその滝は!
 アレだろ?お前、滝に行く理由はどうせ罪悪感なんだろ?
 悠人って奴がもし自殺だったらなんで気付いてやれなかったんだって。
 自殺じゃなかったら安心できるからなんだろ?
 だったら安心しろよ。悠人って奴も、多分その姉ちゃんも自殺じゃねぇよ」