抱っこ | りっちゃん咲いた

りっちゃん咲いた

生後8カ月で劇症肝炎で亡くなったりっちゃんとの思い出を中心に、
日々の思いをつづっていけたらと思っています。

昨日の続き、去年の今日の話です。


痛みを取る薬を増やしてはもらいましたが、りっちゃんはたまに

目を開けるそぶりを見せました。

目が開いても、視線が合うことはありませんでした。

うつろな目は左右に宙を見つめるだけでしたが、私たちが見えているものと

信じて必死に声をかけました。


先生からは、りっちゃんの鼻から直接、栄養の為に胃に入れているミルクを

これ以上入れることは、りっちゃんの体に負担になるからということで、

中止することを告げられました。血圧を安定させる薬は引き続き入れる、

とのことでした。


この日もベッドの上でシャンプーと、からだ拭きを一緒にさせてもらいました。

そして、この日は入院してから初めて、抱っこをすることもできました。

家では、当たり前だった抱っこですが、ICUに入院して治療の為に色々な管を

つけられたりっちゃんを抱っこするのは、簡単なことではありませんでした。


先生と看護士さんたちが、モニターを見ながら、脈拍のセンサーなど、

外せるものは外して、手動の呼吸器をりっちゃんの口元に当てながら、

ベッドのすぐ横に置かれた椅子に座った私の腕の中にりっちゃんを

運んでくれたのでした。家にいた時よりも、むくみの為か、ずっしりと

重く感じたりっちゃんの体はあたたかくて柔らかく、ずっとずーっと

このままでいたい気持ちでした。


せっかく先生方が作って下さった機会だったので、パパはもちろん、

おじいちゃんおばあちゃんたちも順番に抱っこをさせてもらいました。

みんな興奮して、それぞれの思い出を語りかけるので、しんみり

というよりは家でリラックスしている時のような、にぎやかな雰囲気に

なり笑い声も起こりました。


その夜も前夜と同じ、パパと私と、弟の3人で交代で付き添ったのでした。