人間は昔から「毒」と共に生きてきました。食べてはいけない実、触れてはいけない樹液、危険な部位を持つフフグ……でも面白いことに、そうした“毒”の多くが、私たちを救う薬にもなってきました。モルヒネが痛みを和らげ、アトロピンが美女をつくり、エフェドリンが咳を抑える……
自然毒は、危険でありながら同時に人類に寄与する“美しく崇高な分子デザイン”でもあります。 
このシリーズでは、そんな自然がつくった化学反応の傑作たちを、分子模型とともに紹介していきたいと思います。研究室ではなく、日常の目線で。そして時々、ちょっとだけ笑いも添えて。

※画像はニコチンの分子模型。
HGS分子構造模型 有機化学セットで作成