来月小豆島に行くつもり。
小豆島は2回目で、前回は学生の時の
サイクリング旅行であった。その時は
先を急ぐ旅行だったので小豆島は
さっさと済ませてしまった。
今回は2泊するのでじっくりと島内を巡ろう。
まずは小豆島を舞台にした文学といえば、
壺井 栄の『二十四の瞳』である。
文中で舞台は小豆島だよん、と一切
書いていないが、小豆島なのである。
この本は中学の頃からその存在は知って
いたが、読まず仕舞いで40幾年、
ここは区切りとして、しっかり読ん
でからこの旅行に臨もう。
川崎の本屋で探すが、あいにく新潮
文庫版は売り切れだった。新潮で
読みたかったのに・・・
無いならしょうがない、岩波で行くか。
手に取ってみて、ハタと驚く。
アレレ、壺井 栄ではなく、壺井 栄作に
なってるじゃん。近年の研究により、
名前は実は ◎栄作だったのか
家に帰り、家人にその話をしたら、
サンザ馬鹿にされました。
それと壺井 栄は男だと思っていた
こともバレ、これも馬鹿にされた。
女流作家でした。
内容はすこぶるよい。
こんな内容だとは知りませんでした。
もっと明るい、子供たちと新米教師の
触れ合いの本だと思っておりました。
水谷豊の「熱中時代」のような。
ぜひ児童教育を志す者は必ず読んで
おくべき本でしょう。
時代背景は太平洋戦争前後で、瀬戸内
の寒村を舞台に精一杯生きる12人の
子供たちだが、やがて時代の波や貧困
に翻弄されてしまい、戦後の再会では
男子3名戦死(1名は盲目)、女子1名
病死、とこれだけ言うと陰気な内容
ではあるのだが、それをポジティブに
してゆくのが教師・大石久子先生の
キャラである。
現代でもカタチを大きく変えて貧困
問題は続く。児童教育に影を落として
いると思うが、世の教師には大石先生
のような頑張りを期待せずにはいられない。