読書㊻ 『二十四の瞳』 (壺井 栄著、 岩波文庫 760円+税) | そういえば・・・

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橋本商工株式会社の社長のブログです

来月小豆島に行くつもり。

小豆島は2回目で、前回は学生の時の

サイクリング旅行であった。その時は

先を急ぐ旅行だったので小豆島は

さっさと済ませてしまった。

 

今回は2泊するのでじっくりと島内を巡ろう。

 

まずは小豆島を舞台にした文学といえば、

壺井 栄の『二十四の瞳』である。

文中で舞台は小豆島だよん、と一切

書いていないが、小豆島なのである。

この本は中学の頃からその存在は知って

いたが、読まず仕舞いで40幾年、

ここは区切りとして、しっかり読ん

でからこの旅行に臨もう。

 

川崎の本屋で探すが、あいにく新潮

文庫版は売り切れだった。新潮で

読みたかったのに・・・

無いならしょうがない、岩波で行くか。

手に取ってみて、ハタと驚く。

アレレ、壺井 栄ではなく、壺井 栄作に

なってるじゃん。近年の研究により、

名前は実は ◎栄作だったのか びっくり

 

家に帰り、家人にその話をしたら、

サンザ馬鹿にされました。

それと壺井 栄は男だと思っていた

こともバレ、これも馬鹿にされた。

女流作家でした。

 

内容はすこぶるよい。

こんな内容だとは知りませんでした。

もっと明るい、子供たちと新米教師の

触れ合いの本だと思っておりました。

水谷豊の「熱中時代」のような。

ぜひ児童教育を志す者は必ず読んで

おくべき本でしょう。

 

時代背景は太平洋戦争前後で、瀬戸内

の寒村を舞台に精一杯生きる12人の

子供たちだが、やがて時代の波や貧困

に翻弄されてしまい、戦後の再会では

男子3名戦死(1名は盲目)、女子1名

病死、とこれだけ言うと陰気な内容

ではあるのだが、それをポジティブに

してゆくのが教師・大石久子先生の

キャラである。

 

現代でもカタチを大きく変えて貧困

問題は続く。児童教育に影を落として

いると思うが、世の教師には大石先生

のような頑張りを期待せずにはいられない。