麻雀はできないが、読んでみた。

戦後すぐ、という時代設定の

小説である。

 

 

 

(話の)筋は理解できるが、こと

白熱の麻雀のシーンになると

カラキシ理解ゼロである。

 

 

大四喜十枚爆弾 

(だいすーしーじゅうまいばくだん)

一人天和 

 (ひとりてんほー)

 

 

きっと凄い手なのだろうけど

有難味がわからない。

麻雀に詳しいのに聞いてみたら、

「あ、それ、イカサマの手ですよ」

即答で言うくらいだから有名な

手なんでしょう。

 

 

機械式はなく手積みでジャラジャラ

やっていた頃の、手品師級の手芸の

巧拙がモノを言う、ギャンブラーが

熱い時代。

手持金がなくなれば、「家の権利書」や

「オンナ」を差し出す、男の闘いだ。

 

 

作家の阿佐田 哲也氏曰く、

・博打に偶然はありません

・博打打ちというのは、もう体つきで

 わかります。街を歩いていても、

 ぜい肉がないですから。

博打は反射神経と気力です。

・博打は、お金が甘く入る人が

 やはり甘いです。やくざ者なんかは、

 いちばん甘い。いいお客さんです。

 

 

鉄火場とは違うが、同じ勝負事で

渡世する棋士には阿佐田ファンが多い。

解説は麻雀に造詣の深い、エッセイスト

でもある将棋九段・先崎 学、

〝せんちゃん” である。

 

解説の最後はこの小説への愛と

最大の賛美で締めくくる。

「褒め方」とはかく書くべき、

という手本のような賛辞であった。