ビリー・ジョエルが一夜限りで、
"最後の” 日本公演を行ったそうだ。
そうだ、と書くくらいだから、
行っていないのですが。
ビリー・ジョエルと言えば、われわれ
世代がど・ストライクのミュージシャン
である。
記憶では中学2年の頃(45年前)、
ネスカフェのCMで ♪オネスティ
が使われ、一躍有名になった。以来、
ビリー・ジョエル=♪オネスティ
である。
♪オネスティといえば、アメリカの友人
がビリーの2枚組のベストの収録曲に
関して、これまた記憶だが、アメリカ版
は ♪Don't Ask Me Why 、日本版が
♪オネスティ で、日本版を羨まし
がっていた。
高校卒業時の春休み頃(40年前)に、
An Innocent Man Tour (武道館)
を見るため、新宿駅のプレーガイド
に徹夜して整理券を取りに並んだ。
当時はネットもなく、チケットピア
すらも無い時代。「確率」ではなく
「努力が報われ」る、熱い時代で
あった。
友人や他のファンとともに寒空の下、
ひたすら夜明けを待つ時間。
たしかウドー音楽事務所がプロモーター
だったと思う。
アルバム An Innocent Man は
ポップでキャッチーな曲ばかりだ。
当時は好きであったが、今は聞く
気がしない。
やはりビリーはピアノマン、弾き語り
の曲が良い。
弾き語り(ピアノマン)とポップの
分水嶺は 52nd Streetあたりか
(♪オネスティも収録)。
52nd Street の ♪My Life あたり
からポップな曲が出始め、
次の Glass Houses はロック調。
その次の The Nylon Curtain は問題提議
(プロテスト)アルバムで、
そしてその次が完全にポップに吹っ切
れた An Innocent Man である。
アルバムでは The Stranger がよい。
♪素顔のままで や ♪イタリアン
レストランで は名曲で、今聞き返しても
聞き入ってしまう。心地よいサウンドだ。
(今回の東京では、信じ難いことだが、
♪素顔のままで やらなかったようですね)
でも一番好きなアルバムといえば、
Songs In The Attic 。ライブ盤の
オムニバスだが、"屋根裏部屋の歌”
というように、ビッグセールスを
記録した The Stranger 以前に
発表した曲をあらためてライブ盤で
出した。曲に合わせて収録会場が
全部違う。会場が大きい、小さいで、
オーディエンスの歓声やエコーが
全然違う、こだわった作りである。
「売れなかったけど、こんなにいい曲
があったんだよ」ということだろう。
くだんのアメリカ人は ♪She's Got a Way
が一番好きな曲、と言っていた
(Songs In The Attic にも収録)。
当時彼は遠距離恋愛をしていた。
今、あらためて歌詞を読んでみると、
女心に振り回される恋愛、いい歌詞である。
♪She's~ はビリーの一番最初の
アルバム、Cold Spring Harbor
(1971年)に元々は収録されている。
このアルバムは確か記憶では、
ビリーが人気者になった、ずーっと
後になって、日本ではリリースされた。
わたしにとってのビリー・ジョエルは
エルトン・ジョンとのジョイント
コンサートが最後であった。
それはそれでよい。