ラジオで柳家 喬太郎師匠の出演で映画
『浜の朝日の嘘つきどもと』の宣伝があり、
見てみようかなと、横浜のミニシアターへ
行ってきました。
インターネットで検索しても川崎のシネコンでは
一切かかっておらず、横浜で唯一やっていたのが
「ジャック&ベッティ」という映画館。
ジャック&ベッティの存在は知っていたが、
京急線の黄金町が最寄り駅。なにやら怪しい
街区に近そうです。
ジャック&ベッティはもともと横浜日劇という映画館の
系譜を継ぐ映画館であった。階段の吹き抜けに
ありし日の写真が飾ってあります。「荒野の七人」
「燃えよドラゴン」「ゴジラ」・・・当時のコンテンツは
凄いですね。まさか、3本立てではないかと思いますが・・・
で、映画『浜の朝日と嘘つきどもと』はと言うと、
南相馬(福島県)に実際にある、朝日座という、
東日本大震災と新型コロナに翻弄され、取り壊し
間近な映画館を存続させるためにやってきた娘・
茂木 莉子(もぎりこ、高畑 充希)と映画館
支配人・森田 保造(柳家 喬太郎)のはなし。
面識の無かった二人を結びつけたのが、茂木 莉子の
(高校の)恩師で、極度の映画好きであった田中 茉莉子
(大久保 佳代子)であった・・・
映画へのオマージュにあふれた映画で、登場人物
に悪い人が出てこない、ハートウォーミングな
作品です。コロナに疲れた人は一見の価値あり。
ところで森田 保造という名前は映画監督の
森田 芳光と増村 保造の名前の組み合わせだろう。
となると、田中 茉莉子は、となると茉莉子は
岡田 茉莉子から。田中は・・・わかりません。
その他の登場人物も名監督、名俳優名からで
好きな方はチェックしてみて下さい。
柳家 喬太郎師匠の演技は『熱海殺人事件』以来で
また大久保 佳代子さんは映画『喜劇 愛妻物語』以来。
高畑 充希さんは初めて。
映画を見るとかなりの頻度でブログにあげてきた
わたしですが、『喜劇 愛妻物語』は、そのあまりの
低劣さ、下品さゆえに、会社のブログにあげるのを
躊躇、断念させた、珍しい映画であった。
その中の大久保さん演じる女性は(下品の)拍車を
かけるキャラであったと記憶している。
今回の大久保さんは、そのキャラを活かしつつも、
師を好演している。今際の際(いまわのきわ、
こんざいのさいではない)のセリフとそそくさと
対応する医者の動作が忘れ難い。
映画文化礼賛と言うか、映画とその担い手である、
(特にスモールな)映画館を失くしちゃいけない、
というメッセージ。たまにはジャック&ベッティに
行かなくちゃね、である。