いやはや弱った。あんまり言いたくない言葉だが、弱った。
53歳が小学生に戻った気分。ヤバい、まずい。
何が弱ったかというと、親父が大切にしていた壁掛け式の時計をうっかり、
不注意で壊してしまったからだ。
今回の引越しで、父(相談役、今年85歳)が「この時計は大切なものだ」と
言い残して、ヨーロッパに旅行に出かけてしまった。神棚をはじめ、
いくつかの大切なものの来歴を聞いていたが、橋本商工での重要備品
(決して高価ということではない 歴史と思い出の品である、ということ)
の筆頭であった壁掛け式時計。ゼンマイ仕掛けで30日間動き続ける。
(親父が)留守にするときは決まった社員(大切に扱ってくれそうな人物が
不在時の係となって対応 幸か不幸か、わたしはその任に抜てきされず・・・)
が朝に面倒を見る。そんな代物であった。
旧蒲田本社から梱包して、わたしの車の後部座席に振り子部を取り外し、
立てたままそーっと搬送。台車にのせてそーっと、引越し先の平和島の
部屋に持ってきたまではよかった。
土曜日の什器等のメイン搬送日に、業者さんの作業を、蒲田のK君と
イスに座って監督。彼に新本社の仕様を得意になって説明していた時に
悲劇は起こった。ダーンッ、という音に驚き振り返ったら、マグネットで
固定し、立てかけておいた時計が、顔から床に倒れてしまっていた。
きっと窓を開け放っていたので、風の風圧かなんかで動いたのを
支えきれなかった、ということだろう。
幸いにもガラスは割れていない。あわててK君と抱きかかえるも、しかし
『心肺停止』の状態。さっきまでカチカチとかボーンとか言っていたのも、
無音になってしまった。軽く横を叩くが無反応。おーい、死なないでくれ~状態に。
今日昼過ぎ、取引銀行の部長(支店長)が来社され、腕利きの、時計修理が
できる会社を紹介してもらった。電話で状況を説明するも、古いため、
部品が無い、とかなんとかで修理を断られてしまった。トホホ
頭で音楽が鳴っている・・・
♬ 大~きなのっぽの古時計 おじいさんの時計~ 百年いつも動いていた
ご自慢の時計さ~ (中略) いまはもう動かない そのと~け~い~♪
もう一丁、
♫僕の大好きなクラ~リネット パパからもらったクラ~リネット とっても大事に
してたのに~ 壊れて出ないおと~がある~ どうしよう ど~しよう ♬
思えばどちらも子供心に何か好きになれない歌であったが、現実ごととして
自分に降りかかってきた災難のBGMにはまさにピッタリ。
夕方、親父から電話が入った。元気そう。
「今、羽田だ。引越しはどうだ? ・・・そうか、問題なしか(ウソ)。明日、
会社に行く」 と切られた。
ヤバ。どうしよう。そんなに元気なら、もう一週間くらいヨーロッパにいて
もらいたい気分です。
人事不省