先週ほぼ一週間、出張でこのブログも留守にしていました。
また頑張って書いてまいります。
海外へ行くと、本をいくつか持っていくのですが、大抵持っていくのは
自宅にある、読み切れていない本であることが多いわけで。
他方、空港に着くと、(本があるにもかかわらず)ブックストアで新たな本を
買ってしまいます。わたしにとってそんな本は読みやすい、漫画みたいな
ものが多く、今回も追加で 『美しきイタリア 22の物語』(池上 英洋著、
光文社新書)と『東大から刑務所へ』(堀江 貴文、井川 意高共著、
幻冬舎新書)の2冊を買い込んでしまいました。
『美しき~』はカラー写真もあり、紀行文的なので読みやすいのですが、
ホリエモンと稀代のばくち打ち・井川氏(元 大王製紙社長、会長)の対談
の方が遥かに面白く、読みやすいのでついついこちらばかり読んでしまいました。
ホリエモンの大抵の本はゴーストライターが書いていると、インターネット
かなんかで書いてありましたが、さすがにこの本ではライターが想像して
書ける内容ではなく、二人の刑務所暮らしの体験の件は、堅気な人生を
送っている一般読者には新鮮な追体験です。
あまり書くとネタバレ、となってしまいますので、筆を押さえますが、
ホリエモンの収監されていた長野刑務所と井川氏の喜連川刑務所
(正式名称:喜連川社会復帰促進センター)では、どうも食事のクオリティーが
雲泥の差であるようです。美味しい方が長野、まずい方が喜連川。
その理由は喜連川刑務所は民営化され、某大手総合商社の子会社が
運営を請け負っており、経費節減に努めるからだとか。
わたしが印象に残っているのは喜連川で井川氏が「みそ汁の味噌の量を
4/7にしたから」と刑務官に言われるくだり。味噌の量の削減といっても
バカにはならない。3/7X人数分の量のコストカットは大きな利益を運営会社
にもたらす一方、獄人のみなさんは「みそ汁風味のお湯」を飲まされるわけで、
唯一といってよい楽しみである食事が台無しにされた、井川氏の怒りは
ハンパないわけです。
二人が共通して言っていた「(運動後の)麦茶がウマすぎる」という感覚は
味わってみたい気にさせられますが、一方ホリエモンはその感覚はシャバに
出てきたら一瞬で消えますね、とも言っておられる。
何とも儚い、うたかたの夢のような感覚・・・収監されなければ体験できない
味のようです。
各章でまとめがあり、二人の金言が記されます。
入れば体は健康体にはなれるが、刑務所体験というやつは〝疑似″で
済ませられるに越したことはありません。