読書⑭ 『わたしを離さないで』 カズオ・イシグロ著 読書⑮『コーマ -昏睡ー』 ロビン・クック著 | そういえば・・・

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橋本商工株式会社の社長のブログです

長期出張中にページを進められたのが 『わたしを離さないで』。

昨年のノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ氏の本で、

やっとこ読み終えた。

『日の名残り』 同様、主人公が語りべとなって話はすすんでいく。

 

 

 

物語はクローン人間のはなし。科学技術がすすんで、人類はその

複製をスペアパーツ用に作ることができた。

臓器提供用だが人格を持っているクローンたち。しかしあくまでも

部品扱い。臓器提供の役目を終えると「提供者」は死んでしまうが、

その是非を問う、という話ではない。

ところでクローンは同じDNAをもった人間にはスペアとして有効だが、

拒否反応があるから他人には使えない。小説ではその〝提供″

が複数回、ときに4回も行われるが、自分の〝元々″がそんなに

臓器提供を受けなければならないものなのか・・・ちょいと違和感がある。

 

 

 

さて臓器提供というテーマでは、ロビン・クックの 『コーマ -昏睡-』を

思い出す。こちらの方は臓器提供というよりか、むしろ犯罪だが。

 

 

ずいぶん昔に読んだ本なので、詳細はすっかり失念してしまったが、

面白かった、という記憶がある。ビジネスライクに臓器移植の発注が

あったり、〝仕入れ″があったり。またせっかく仕入れた商品を

傷つけないように、床ずれをさせないように、骨を通したワイヤで吊って、

万全の温度湿度の調整の効いた環境の中で保管されるのである。

 

 

どちらも早川書房でSFだ。 どっち? と聞かれたらためらいなく

「コーマです」 と答えちゃいます。