BSでのインタビュー番組「オリバー・ストーン on プーチン」(前・後)を見る。
プーチン大統領に映画監督オリバー・ストーン氏がロシアでインタビューするという
内容のものだ (2015年7月から2017年2月までの取材を元にしたインタビュー番組)。
ベトナム戦争でアメリカ軍の暗部を描いた『プラトゥーン』やケネディ暗殺の『JFK』
など、とかく社会派の作品を作ってきた同監督のインタビューなので、見始めたら
面白くて止まらない。通してみて意外とプーチン、話のわかるやつじゃないか、
という気にさせるから政治家の力は侮れない。どう考えても「我が国は他国に
干渉しない」というのは嘘っぱちだし、国内の人権問題に関しても「我が国は
1000年を越える君主制の国家だった。1990年以降の(浅い)民主主義の
歴史であるから欧米のような成熟した民主国家と比べると・・・」と論点を
かわすのも絶妙。でも誠実(そう)で冷静な受け答えに魅力があります。
さすが元KGB、アメリカの下品な大統領より数段役者が上、です。
そんな中、ストーン監督がプーチン大統領に映画鑑賞を勧めるシーン
があった。
うーむ、プーチンの相手を射すくめる目が怖いんですが
スタンリー・キューブリックの『博士の異常な愛情』※ だ。
映画ファンのアイコンであるキューブリック監督の冷戦時代を風刺した
名作をプーチンに、である。はたしてこのプロポーザルを番組では
どうするのかな、と思ったら、なんとストーン、プーチン、そして通訳
(その他お付の者)が一緒になって『博士~』を見るではないか。
このあたりが、さすが映画監督らしい、面目躍如たるシーンであった。
(プーチンとトランプが見れば100点満点であったが、さすがにそれは
ムリですね)
真剣に『博士~』を観る 大抵こんな顔のプーチンですが、たまの笑顔はよかった 感想も良かった
※博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて
水爆を愛するようになったか
Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb
ストーン監督は2016年9月に『スノーデン』を公開していた。だからロシアなんだ。