周産期うつ病と死亡リスク:スウェーデンにおける全国規模の登録ベースの研究 | A Japanese Psychiatrist at the foot of Mount Koya

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この研究は、周産期うつ病(出産前後に発症するうつ病)を発症した女性が、発症しなかった女性や全姉妹に比べて死亡リスクが高いかどうかを明らかにすることを目的としています。スウェーデンの全国登録データを用いたこの研究では、2001年から2018年までの期間に周産期うつ病の初診を受けた86,551人の女性と、うつ病でなかった865,510人の女性を比較しました。また、周産期うつ病を有する24,473人の女性と、この疾患を有さない246,113人の全姉妹との比較も行われました。

研究の主な結果は、周産期うつ病を発症した女性は、発症しなかった女性と比較して、死亡リスクが高いことが明らかになりました。特に、自殺による死亡リスクが顕著に高く、周産期うつ病の発症後1年以内に最もリスクが高まることが示されました。このリスクは、分娩前のうつ病よりも分娩後のうつ病で高いことが分かりました。

結論として、周産期うつ病に罹患した女性は、特に診断後1年間の自殺による死亡リスクの上昇と関連しているため、患者やその家族、医療専門家は、周産期うつ病後の深刻な健康被害に注意すべきであるということが強調されています。

 

Naela Hagatulah et al. BMJ. 2024.