9月のある日、
講師として呼ばれた研修会に出席するため、
九州の幣立神宮や高千穂、天岩戸神社へと
お参りする機会を得ました。

その際、研修の最終日に、天の岩戸神社の奥にある、
天安河と呼ばれる、洞窟の脇にある河原に行った際、
心の内から「ふるさとの歌を言祝いで」
という声なき声が響いたのです。

そこで川面に映る光の輝きを眺めながら、
心を込めてふるさとの歌をそっと口ずさんでみました。

兎追いしかの山 小鮒釣りしかの川…
まさしく歌詞通りの光景が広がる中、
三番の歌詞までくると、
胸がキュッと締め付けられて、
目に涙がたまってきたのです。

志を果たして いつの日にか帰らん
山は青きふるさと 水は清きふるさと

歌い終わった途端、ある風景が浮かび上がってきました。
それは私が以前、天に問いかけた、
ある質問の答えでもあったのです。

その質問とは「これからの未来はどうなりますか?」
というもの。

問いかけた時は、いくつもの可能性が同時並行的に感じて、
なかなかすっきりとした答えを得ることが出来なかったのですが、
その時は違っていました。
とても明確で、クリアーに浮かび上がってきたのです。

それはいずれ、こうなるのだから、安心して、
朗々と進んでおくれ、
という天からの応援のようにも感じました。

家に戻ってからも、その時観えたビジョンが、
くっきりと焼きついています。それで、
いてもたってもいられなくなった私は、絵筆をとり、
出来るだけ正確に再現することにしました。

二週間後、それは完成しました。
この作品名は何といいますか? と心の奥に問うと、
「黎明」である、と響きました。




黎明とは明け方、夜明けのこと。
新しい新生を意味する言葉でもあります。
ふとその時、私の大好きな本―
葦原瑞穂著の「黎明」のことを思い出しました。
その時に、ハタと気になって、葦原氏の命日を調べたら…、
絵の完成した日と、同じであることに気が付いたのでした。

こうして先達のマスターたちも、天も、全力で、
私たちの目覚め、霊性進化の旅を応援してくれているんだ…。
そう思うと、ただただ胸がいっぱいになり、首を垂れました。

さて、観えた絵は、
葛飾北斎の神奈川沖波裏の構図と一緒でした。
ただ、波がすべて虹色に輝いていて、
しかも一番手前の小舟の上には、
伊邪那岐と伊邪那美がぬぼこを天にかかげて、
凛と立っている姿でした。
この二神は、私たち一人ひとりが
志を抱いて進む姿とも重なっているようで、
こうした歩みそのものが、宝の船に乗っていることなのだ、
という想いが響いたのです。
ですので、先の方にある船の上には、よくみると宝船が描かれています。
また、赤富士の上には、お天道様―あまねく照らす慈しみの光が、
山も海も船も人も、すべてを照らしていたのでした。

この絵を描いていた時、最後の三日間は、
あまり記憶がありません…それほど集中してしまったようです。
気が付いたら、出来上がっていました。

実はこのアート、来年を飾る迎春絵画として、
版画化されることになりました。
もしよろしければ、本年の「笑福七福神」同様、
ずっとお部屋を飾るアートとして、
魂の奥でお約束いただいた方との、
ご縁が結ばれましたら嬉しく思います。
詳細は下記にありますので、ご覧くださいませ。

とにかく、今、心から分かち合いたいこと、
それは…
未来は明るい、ということ。
ここを信じ、意志と祈りともって
朗々と進んでまいりましょうね。

ではまたね。
今日もいい日を。