今から四半世紀前、
結婚してすぐに子どもに恵まれ、
三人の子の子育てに奮闘していた頃、
いつも歌っていた歌があった。

日本の子守歌も好きだったけれど、
よく歌っていたのは、
イギリスの童謡―ナーサリーライム(マザーグース)。
ちょっとナンセンスで、ユーモアがあって、
明るいリズムが好きだった。

ほどなくして私は、子どもたちに英日の表現劇を教える、
ラボテューターというのになっていて、
そこでもナーサリーライムをたくさん歌っていたっけ。
子どもたちに絵もたくさん描いたなぁ。

そんな日々の中、一冊の手作り絵本がきっかけで、
いつのまにか絵描きになっていたという感じ。
そして、25年経った今、
先日、ロンドンで開催する美術展の主催者から電話がきて、
英国王立美術家協会の日本代表で、
スピーチをお願いしますとのこと。
しかも英日で。
http://www.qualiart.co.jp/works/detail.php?kijiId=20180615165157

ひょえ~。ど、どうしよう…汗。
いつもは何も考えていないけれど、
さすがに少しは内容を考えなくっちゃと思って、
イメージしていたら、懐かしい歌が蘇った。

Humpty Dumpty, Puccy cat,
Pat-a-cake,Hush little baby,
London bridge is falling down…、

かつてのナーサリーライムだ。
三つ子の魂100まで!?ではないけれど、
好きなうたは今でも、歌えるってびっくり。
適当に口ずさんでいたら、もう成人を過ぎた息子も、
一緒に口ずさんでいた。

…うっ、ちょっとグッとくるなぁ。
よし、スピーチの内容に、歌のことをちょっといれよう。

なんだかね、時間が巻き戻っった気がしたの。
かつて好きだったこと、思ったこと、願ったことが、
時を超え、場所を変え、ひょんなことで
思いがけない形になっていく。
その時は気がつかなくても、
ひっそりと熟成するのかなぁ、なんて、
25年後にして、静かに感動。

下旬からは渡欧して、
ロンドンの美術展のレセプションに出席し、
その後は、毎年恒例になっている
ヒルデガルト修道院(ドイツ)に滞在し、祈りと瞑想三昧。
ドイツでは出版社との打合せも入っている。
帰りはパリから。
気持ちはママ時代と、
あんまり変わっていない気がするのだけれど、
状況だけがどんどん変わっていく。
人生、年を重ねるって面白いものなんだね。