#QC七つ道具ー管理図

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今回、お伝えする管理図は、私が品質管理を習った時のメイン項目で、少品種大量生産には無くてはならないものです。

 

品質管理における管理図とは、製品の品質管理において、製造工程が安定しているかを判断するために、品質のばらつきを分析・管理するためのグラフです。

目標とする品質レベルと実際の品質との間にギャップがあるか、ある場合はどれくらいかを調査し、目標に近づけるために管理を行うことです。その調査や管理に役立ち、生産現場においてはなくてはならないものです。

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製品の品質を高いレベルの物にするとともに、品質を安定な状態に保つことが大切で、何時もと同じ安定した品質の製品が作られ続けられている状態を作業工程の安定状態と言い、技術的・経済的に検討して好ましいレベルに管理された状態にあるといいます。

 

1つの作業で安定した品質の製品をつくり続けるには品質をつくり込むのに必要な製造条件で作業が行われる必要があります。

品質は製造で作り込めとよく言われていました。

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これらの条件を、通常作業標準という形で表され、定められた作業条件何時もの通り行われるように管理することが必要(条件の管理)

作業が期待通りの結果が得られているか、製品の品質を定期的に測定して確認する必要があります(結果による管理)。

製品の品質のばらつきの原因として、偶然原因と異常原因が挙げられます。

偶然原因:標準的な方法で製造しても生じる、やむを得ない品質のばらつき。
異常原因:標準的な方法が守られていないなど、工程に異常が生じているために起こる品質のばらつき

に大別されます。

 

偶然原因と異常原因は、アメリカ・ベル研究所のシューハート博士によって発案された考え方で、シューハートは、品質管理のためには異常原因が発生していない状態(統計的管理状態)の維持が必須であると主張し、異常原因の発生を分析するツールとして管理図を導入しました。

管理図について説明します。

管理図の構成

管理図は、次の要素から構成されます。

  • 中心線(平均値)
  • 上方管理限界線(UCL)
  • 下方管理限界線(LCL)

 

管理図に必要なデータ種類

・「計量値」は、測って得られるデータです

私が学生時代に習ったXbarーR管理図 (長さ、重量、時間、硬さ、純度などです。)

が代表的です。

・「計数値」は数えて得られるデータです。

 

管理図の目的

  • 「規格限界」を発見することができます。
    品質が合格できる範囲を超えたかどうか把握することができます。
    範囲を超えるとその製品は不合格になります。
  • 工程を「管理限界」に保つことができます。
    管理限界を外れたときは、その原因を調べて対策を打つ必要があります。

管理図の異常値の見方

(1)管理はずれ管理限界外に点が出たとき(線の上は外になります。)異常なので、原因を調べて対策を打つ必要があります。

 

(2)7つ以上の連管理限界内に入っていますが、中心線の片側に連続して7つ以上の点が並んだとき。工程の平均やバラツキが変化していることを示しています。
原因を探す必要があります。技術的な情報が得られる場合もあります。

 

(3)限界近くの点点が管理限界の中にあっても、管理限界の2/3以上はなれた所に連続3点中2点あるとき。工程のバラツキが大きくなったことを示し、注意が必要です。

 

(4)点の並び方にくせがある点が上向き、または下向きにつながる。
または周期的に上下する。工程にそのようなクセが入る要因がある。
原因を探す必要があります。

 

(5)安定状態にある
(管理状態です。)管理図に記入された点をみたとき、連続25点以上の中に(1)から(4)のようなものはない。工程は大変安定しています。
処置の必要はありません。

代表的なXbarーR管理図の説明をして締めたいと思います。

同じ工程の生産ロットの検査データを20群以上集めます.

集めたデータを生産順ごとに並べ、群ごとの平均値Xbarと範囲Rを計算します。

データの総平均Xbarを計算します。
この総平均Xbarが、Xbar管理図の中心線(CL)となります。

次に、範囲Rの平均値Rbarを計算します。

この平均値RbarがR管理図の中心線となります。

 

 A²はロットごとの抜取検査数で決まる係数を前提に、Xbar-R管理図の上方管理限界線と下方管理限界線を計算します。

UCL=Xbar+A²×Rbar
LCL=Xbar-A²XRbar

 

 

R管理図の上方管理限界線と下方管理限界線を計算します。

UCL=D4一Rbar
LCL=D3×Rbar

 

なお、D4,D3はロットごとの抜取検査数で決まる係数ですが、ロットの抜取検査数が6個以下の場合は、D3の値はほぼゼロに近いため考慮しません。

これらをグラフにして、データ値をプロットして上記の管理図の異常値を発見し、処置を行うことが重要です。

管理図は、かなり種類も増え、グラフも多様化していますので別枠でグラフの説明もする予定です。

 

 

 

 

 

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