前回に引き続き書かせていただきますが、外交についてです。

 

 実は今、私は昭和47年2月27日発表参考用仮訳のニクソン米大統領の訪中に関する米中共同声明、いわゆる上海コミュニケですがこれを読んでいます。数枚のペーパーですが、私が読んでいる仮訳は、わが外交の近況(外交青書)16号、 25-528ページです。

 

 米国側は次のように表明した。米国は,台湾海峡の両側のすべての中国人が,中国はただ一つであり,台湾は中国の一部分であると主張していることを認識している。米国政府は,この立場に異論をとなえない。米国政府は,中国人自らによる台湾問題の平和的解決についての米国政府の関心を再確認する。かかる展望を念頭におき,米国政府は,台湾から全ての米国軍隊と軍事施設を撤退ないし撤去するという最終目標を確認する。当面,米国政府は,この地域の緊張が緩和するにしたがい,台湾の米国軍隊と軍事施設を漸進的に減少させるであろう。

 

 という記述があり、これが英文ですと、

 

 The U.S. side declared: The United States acknowledges that all Chinese on either side of the Taiwan Strait maintain there is but one China and that Taiwan is a part of China. The United States Government does not challenge that position. It reaffirms its interest in a peaceful settlement of the Taiwan question by the Chinese themselves. With this prospect in mind, it affirms the ultimate objective of the withdrawal of all U.S. forces and military installations from Taiwan. In the meantime, it will progressively reduce its forces and military installations on Taiwan as the tension in the area diminishes.

 

 となっています。

 

 直球で受け止めると、台湾の問題は中国の内政問題であることを米中双方が「確認」し合ったとなるのでしょうが、さてさて。

 

 とはいえ、この部分以外にも、コミュニケでは世界情勢、特にアジア情勢に関しては、広く考え方を確認し合ったという感じです。

 

 そして、国交が樹立するのですが、その後のことは、誰もが知る通りで、米中蜜月状態が続き、中国が大きく発展してくるのです。

 

 経済的に、それなりの力をつけてきて、科学技術をはじめ様々な産業分野での発展が果たされてきた今、まるでこの上海コミュニケがなかったかの如くの言動が増えてきたのです。

 

 それはあたかも、チンピラが善意の通行人に難癖をつけるかのように、関係悪化の道を辿っています。しかも、それは当初の自分たちの目論見と違う方向に来ているからという、ある意味ではかなり子供じみた理屈のように感じます。

 

 もっというと、アメリカの民主党政権が顕著な傾向があるような気がします。

 

 ウクライナの問題とパレスチナの問題とでその対応を見ると、二枚舌どころか三枚舌四枚舌かよと思うくらい。

 

 日本も日中国交回復に当たって同様の文書がありますが、まあ同様の内容。

 

 なんだかなあと思いながら、米国以外の対中政策や、世界情勢を見れば見るほど、立憲君主制、独裁国家、歴史豊かな国々とアメリカ合衆国という国とはちょいと違うような気がしてきている今日この頃です。

 

  The National Endowment for Democracy (NED)もちょっと研究してみたいなと思うのですが、主義主張、支援等は良いと思うのですが、支援などの行き過ぎは良くないのではないかなと思う昨今です。