さて、「先人の知恵と行き過ぎた正義」の延長線上の話ですが、またまたごぶさたになってしまいました。

 

 なんとも、身の回りの出来事や昨今の政治の状況から「虚無感」とでもいうのでしょうか(笑)。政治資金の一連の動きはブログに書いた通りで、どちらかというと世間の皆さんのご批判とは相容れないものですが、こと「自民党青年局近畿ブロック会議後の会合で過激ダンスショー」に関しては、行為そのものを批判などしません。むしろ「なんで漏らした」の方が大きいものです。

 

 もっというと、漏らした人の人間性と社会性の無さに愕然としながらも、そういう想定のない主催者にも呆れております。

 

 そんな中、ちょうど読み始めた本の冒頭に私の考えを的確に書いていらっしゃるので引用させていただきます。ちょっと入手に時間がかかった古めの書籍ですので、著書名などは控えさせていただきます。

 

―――以下引用部分――――

 本書では、こうした「秘密」の大切さを、さまざまな面から誰でも実践できる形でお示ししたつもりである。

 詳細な検討については後述するが、「秘密なし」で失敗した事例の収集は、簡単であった。それは三年三ヶ月の「民主党政権」と、派手なパフォーマンスの陰で何一つ成果の上がっていない「維新の会」が、ありとあらゆる失敗をしてくれたおかげだ。

 オープンにすればするほど、ムダが増えていった事業仕分けは好例だろう。官僚を公然とこき下ろす姿にメディアは喜んだが、ほとんどムダが削れず予算が増えていった。ムダを減らすには、お互いの弱みを知っている優秀な官僚同士で水面下で競わせる仕組みをつくるのが一番だということに、なぜ気づけないのだろう。

本書が、表立って派手なことはしないが、矛盾に耐え、額に汗して働くすべての組織働く人の一助となることを願っている。

―――以上引用部分――――

 

 私が議員として活動している間は、最後の2行の部分が大切だと考えてきました。市役所の職員の中にも、いくつかのパターンの人がいて、まさにこの2行に当てはまる人の話を聞いた時には何気にその方の職種に関連する問題を持ち込み話のきっかけを作り頑張っていただくようお話をしたものでした。

 

 また、読みはじめの話に戻りますが、これちょっと面白いのです。バリバリ自民党の方の著作なのですが、やっぱり我慢できない。さらに引用し、著書名も書きましょう。

 

―――以下引用部分――――

なぜ、「秘密の力」に気づかないのか

 「目には見えない危機管理」が日本を救う

 2012年12月、安倍晋三総理より「内閣参与特命担当」を拝命し、首相官邸に入ることになった。

 「特命担当」という言わば森羅万象を扱う役割を担って、小泉純一郎元総理の首席秘書官として5年5ヵ月の長期政権を支えた経験から助言をしている。

 小泉政権以後の総理は、第一次安倍内閣も含めて、海外から「回転ドア」のようだと揶揄されるほど一年ごとに政権を放り出す結果になってしまった。

 ただでさえ世界最大規模かつ世界最速のスピードで進む少子高齢化を迎えなくてはならない国難にあって、政治がしっかりしなくては、日本は滅亡してしまう。

 その滅亡を食い止めるには、日本に何が必要なのか。私は、あらゆる組織における「目には見えない危機管理」ではないかと思う。組織が致命的なダメージを負うことを防ぎ、リーダーに対して大きな期待が寄せられるその背景には、必ず万全な危機管理体制がある。

 民主党の3年3ヶ月はまったくの無駄でしかなく、私たちはあまりに高い代償を支払わされたわけであるが、それでももう少し危機管理がしっかりできていれば、世界からここまで日本が軽んじられることはなかったであろう。

 自民党へと政権交代して、私が官邸に入ってまず驚いたのは、民主党政権によってめちゃくちゃに破壊された官邸の危機管理システムだ。

 最高の権力機関であり、国家機密の集積場でもある官邸に、自由に出入りできる通行証が1300枚も発行され、うち80人が明確な反国家思想を持つ者、もしくは左翼運動家が所持していた。さらには前科者までもいた。

 これで国家の危機管理が万全にできたら奇跡に近い。左翼、前科者はまさに論外という他ないが、私は1300枚もの通行証が発行されたことにも大きな疑問を持っている。危機管理の観点から言えば、人数が多くなればなるほど情報漏洩が激しくなる。

 誰が情報をもらしたかわからなければ、人はどんどんマスメディアに情報を垂れ流す。そうなれば当然政権はその情報の弁明に追われる結果になり、国民からの印象は悪化の一途をたどることになってしまう。

 安倍内閣では当然出入りできる人数を減らしたが、以前の小泉内閣では官邸に出入りできる人間を徹底的に減らしていった。信頼できない人は置かない、というより、信頼できる人しか置かないという態度だった。ちょっとでも怪しいという人は、失礼ではあったが退場していただいたものだ。

 信頼できる人間だけを置くことで、マスコミへの逆襲ができたものだ。そうすることでマスコミが何を追いかけているのかを何も知らないフリをして探知することが可能になったのだ。

 例えば、どこかで手に入れたリーク情報が真実であるかを確かめるために、ある大手新聞が手分けして官邸に出入りする人間に質問をしていたことがあった。

 当時、チーム小泉と呼ばれる秘書官や特命チームの参事官らにマスコミからどんな質問を受けたかを私に報告してもらうようにしていた。

 するとさまざまな質問をぶつけながらもある共通の質問事項があることに気づいた。記者は、非常に巧妙に質問をぶつけてくるものだ。

 気さくな感じで55分間はざっくばらんな話をしておいて、最後の5分で、さりげなく本当に知りたいことを聞いてくる。質問に違和感が残ったら、しっかりと記憶しその違和感が発生した理由を解明すべく考えたほうがいいだろう。

 自分の部下が、なにやら怪しげな取引をしていると感じたとき、真相を確かめるために、あなたは何をするだろうか。

 おそらく、いきなり呼びつけて単刀直入に質問をすることはしないだろう。事態を正確に把握することが大事だ。

 私だったら食事などに呼び出して、酒を飲ませるだけ飲ませて、油断させるだけ油断させてから、最後の会計の前後のタイミングで話を持ち出すだろう。それも単刀直入な言い方はできるだけ避けて。

 新聞記者も同じようなやり方を用いてくる。しかも、政府への事実確認は複数にわたるので、しっかり管理できれば、共通して聞かれることが判明する。

 もし新聞が知りたい情報がわかれば、紙面に載る前に先手を打つことができるのだ。スクープを潰された新聞は頭にきただろうが、本来強力な危機管理とは、そこまでできてはじめて合格点ということができるのではないだろうか。

 まだ始まったばかりの安倍官邸が、その段階までできているかといえば、そうではないだろうが、構築すべき危機管理体制とはそのことだろう。

―――以上引用部分――――

秘密ノート 交渉、スキャンダル消し、橋下対策

飯島 勲 著

プレジデント社 (2013/6/28)

 

でした。