国会で政治倫理審査会が開かれました。不満続出ですね。

 

 政策活動費という費目の取扱いに世間は怒りに満ち溢れています。

 

 報道各社の論調も微妙に違うような気がします。

 

 メディアに引っ張られる形で悪者がどんどん増えそうですが、さて、そうなのか?という気持ちでいっぱいです。

 

 私は、どこの報道機関か覚えておりませんが、「政策活動費」で受領した側は、政策活動以外に使用した場合、あるいは余剰金となった場合は税務申告が必要だという認識でしたし、今もそう解釈しています。

 

 それは、まさに先人の知恵により導き出された政治資金の処理方法だと思っています。

 

 特に政治の世界では、資金の透明性を求められ、様々な法律によってその運用においてはかなり透明になっております。ところが、その透明性ゆえに、報道機関がことさら面白おかしく、あるいは自分たちの考えた物語に当てはめて、自分たちの推理に当てはめて、報道をするケースが以前からかなりの数あります。

 

 まず出所が、税金の政党助成金や近年でも話題になった「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)などがありますが、自主規制も含め政党助成金は至極真っ当な使途となっています。それを、政治家自身が支持者、支援者からいただいた寄付や、パーティの収入などで政治活動に政策立案活動に使うようにいただいたお金の使い方は、個人的利用と政策立案活動との切り分ける部分が大変難しいので、というかケースがものすごく多いので、数多くの「政治とカネ」の問題の議論の中で、落ち着いたのが政策活動費の取扱い方法だと思うのです。

 

 使途を明確にする。きれいな話ですし、簡単に言う人がテレビなどでもたくさんいますし、多くの方々がそう思っているということもわかりますが、私は違います。

 

 簡単に言うと、政治の世界は日々戦争状態だと思っています。政策立案をし、遂行していくことが、国家国民の生活に直結することで、ひいては、国民の安全安心な生活、命をも左右するようなことを適時適格に確実に成し遂げていきたいと思った時、その情報管理は細心の注意と手順段取りを間違えずにやっていくものだと思います。

 

 私は、そのもっとも重要なことが情報管理だと思っておりまして、それには資金の支出を伴いますが、決して情報として表に出て欲しくないものだと同時に思うのです。

 

 わかりにくいと思いますが、昔、料亭政治という言葉がありました。批判されて無くなりましたが、国会から近いところで、従業員の教育が行き届き、一切の情報が洩れず、顧客の鉢合わせなどが無いような予約管理が行われる場所で、手順段取りを打合せたり、全体像の構築や導く結論や、「本音の目的」など様々なことを「忌憚なく」協議する場でした。

 

 それらが批判を受け、なくさざるを得なくなったのですが、それでも、充分な意思疎通を取りながら、政治を行っていくには切っても切り離せないのが、飲食を伴う懇親であり協議であると思います。それは私の経験では世界共通のような気がします。

 

 実際に、国賓、公賓を迎える時にも酒食を伴う会が催されます。それは認められて、政治家のそれを認めないというのはいかがなものかと申し上げたいのです。

 

 このことに関して、書きぶりが非常に難しいのですが、政治において、「酒食を伴うあるいは『酒』が主体ではない飲食などによって、様々なことを話し合う。」ことをフルオープの公開情報として扱うのは非常に厳しいものがあると思います。

 

 それは、前述したようにメディアによる推測、憶測でおもしろおかしく「記者の常識」に照らし合わせた価値観で記事を書かれることがあります。

 

 その焦点は、使用している店であったり、飲食内容であったりします。

 

 それだけならまだ良いのですが、店を特定されて重要事項の打ち合わせをしたいと思っても、事前に張られてしまって、隠密行動が出来なくなったら、物事をスムースに遂行などできようもありません。

 

 トランプ大統領と安倍総理がゴルフを何度かしました。そこで話された内容は一切メディアには出ません。しかし、そこでは世界の平和と安定、日米両国の国益をどう確保していくか「肝になること」をプレイ中の時間を使って、「意思疎通」が出来たものと思います。

 

 さすがにこの費用はどこから出したなどとマスコミはたたきませんでしたが、類似することを日常茶飯詮索し続け、おもしろおかしく書き立てるのです。

 

 自民党女性局のヨーロッパ研修かなにか忘れましたがエッフェル塔をバックにした写真撮影が物議をかもしました。あれだって同じです。エッフェル塔での写真だけがクローズアップされましたが、あの時参加の国会議員が、表に出ない時間にフランス政府やフランス国会の関係者と情報交換、情報共有をするための懇親の飲食などを行ったとしたら?あるいは、各議員個別にそのような機会を作って、昼間の時間帯以外に行っていたとしたらということです。私は、そういうことも表に出て良いものと、ダメなものがあると思うのです。それは相手のフランス人側もそうだというようなケースがあったりしますので。

 

 そしてそれらが、日仏関係の「肝」となるきっかけの事項となる可能性が無いとは言い切れないと思うのです。

 

 そういうことの典型的な事例が「ピンポン外交」だと思っています。秘密裏に行うべき「政治の事項」というのは外交に限らず「内政」でも山ほどあると思っています。むしろ政治とは、情報戦でありその情報をいかに管理するかが肝だと思っているのです。

 

 だから、「どこどこで何何を食べた、どこどこでだれと会った。」は絶対に出すべき情報ではないと思っています。

 

 但し、ここで気を付けなければいけないのは、そういうルールを逆手にとって「完全なる『私』する議員」が過去に多数いたことです。

 

 私は今回問題になった清和政策研究会の各議員は、そのような議員ではないと思いますが、中にはどうしようもない議員もいるんですよね。ということは、十分承知していますし、そこをどうするかだと思うのです。