広島県の事業者による学校給食の突然の停止がニュースになっています。

 

 私は平成11年頃に学校給食の民間委託化に取り組んだ者として、この問題に大きな関心があります。

 

 まず、当時、学校給食の民間委託化をなぜ進めたかですが、地方公共団体において行財政改革が最も必要な事業は、学校給食、保育、ごみの運搬収集でした。この3つの事業は、民間の事業者が事業を行うことができるにもかかわらず、直営と言って、地方公務員として正規の雇用をした職員に事業を行わせる方式をとっている地方公共団体がほとんどでした。

 

 このブログの検索欄で「学校給食」でブログ内検索をしてみてください。かなり学校給食について書いていますが、学校給食の民間委託化の理由は次のように書いています。

 

 学校給食の民間委託化当時は、職員の年収平均800万円、退職金3,000万円。これだけで、学校給食調理員の人件費が想像できると思います。しかも、祝祭日、学校行事休業日、夏休み、冬休み、春休み。学校給食を調理するという手当をもらっている人が、学校給食を調理する日数は通常の職員の勤務日数にはるかに及ばない。こんなひどい(良すぎる)勤務条件の、給食のおばちゃまは、退場していただくべきだというのが私の主張でした。

 

 様々な議論がありましたが、無事、民間委託化を数校ずつ行うということで決着しました。給食調理員を民間委託化するから解雇ねというわけにはいかないので、定年退職者以降不補充という形をとりました。

 

 さて、その後もウオッチをしていたのですが、あるとき、事業者の応札が無いという話を聞きました。

 

 なるほど。これこそ公務員のアホ対応によるものでした。

 

 委託費の買い叩きです。

 

 公務員は自分たちの給料は毎年上がっていくのに、学校給食委託費は、逆に値下げ交渉をする。この傲慢な思想が、業者の学校給食事業離れを招く事態になっていたのです。

 

 役人の論理は、職員組合に睨まれながら、共産党議員に睨まれながら、事業を行うには、職員を雇用する直営よりも費用が安くなければならないというアホな理屈。

 

 それも、目に見える経費だけの比較をするから、民間事業者はたまりません。

 

 そんなこんなが積もり積もったのでしょう。

 

 都市部では、民間企業の食堂運営の受託や地方公共団体のアホ職員の見積もり叩きなどがない適正価格で受託できる余地がありますから良いのですが、都市部以外では厳しいでしょうね。経営が。