さてこのブログのシリーズの舞台は小金井市議会。

 

 気になったので、まずは都政新報を遡って記事を探しました。

 

 

 やっとわかりました。会議録を詳細に読むところまで行っていないのでまだ未知の部分があるのですが、公立保育園を廃止することに決めた。その条例改正をしたい。翌年度の園児募集の事務手続きの関係上、議案上程の定例会で議決できないと間に合わない。

 

 で、上程、委員会付託をして、委員会が随分とやり取りがあり、採決をしようとしたら、継続審査を望む委員が多く継続審査となりました。

 

 そこに至るまでに、ものすごく多くの時間を費やし、議会はできる限りの審査に関わる調査等を行なっています。それでも結論を出すほどの熟議ができていない状態だったと思います。

 

 委員会記録を斜め読みしたのですが、議会側は問題ありません。議会本来のやるべきことをやっています。

 

 むしろ理解できないことは、執行機関側の市長の部下で議会の窓口機能はあったのだろうかということ。

 

 同時に議会事務局長はどういう動きをしたのだろうかということ。

 

 さらに議長はどういう動きだったのだろうかということ。

 

 などなどが見えてこないとなんとも言えませんし、市長のキャラクターが見えてこないとこれまた軽々には申し上げられませんが、どうなんでしょうね?

 

 って、書きながら検索かけたら、なんだよ~、大学の後輩だった。

 

 まあ、それはさておき、そもそも前回も書きましたが、首長は万能ではないのです。この地方自治法179条に規定されている専決処分の「権限」も所詮は、「首長」が「議会に代わって」意思決定を行うものであって、本来首長にはない「機能」なのです。

 

 それを、恐ろしいことに議会開会中に行ったという前代未聞の行為でした。議会は怒り心頭に発するということでしょう。

 

 もはや処置無し。って感じです。

 

 そもそも「議会において議決すべき事件を議決しないとき」 という要件についても、 基本的には長は議会が議決を行うのを待つべきなんです。 議会の不作為が、 意図的なものか、自然災害によるものか、 あるいは、 案件の性質上審議が長引いていることによるものかを問うべきではないのです。 

 

 法律の逐条解説本では、

 議会において議決すべき事件を議決しないとき

 (1)「議会において議決すべき事件」とは、議会が議決をする権限を有する事件であるが、議決権限を有する事件であることのみをもつては足らず、それが同時に法令上議決が必要であるものでなければならない。条例の制定改廃、予算その他第九十六条第一項各号の事件、同意、その他法令により議会の権限とされている事項は一切含まれるが、議会において行う選挙はこれに含まれない。また、不信任の議決、第九十九条の意見書の提出等執行と関係のない議決についても本条の適用はないと解される。

 (2)「議決しないとき」とは、(一)から(三)までにおいて述べた場合の外、議決を得ることができない一切の場合をいい、その原因が議会の故意に基づく場合はもちろん、外的事情に基づく場合をも包含する。例えば、議会が普通地方公共団体の長の提出に係る議案を議会において議決すべきものではないとしてそのまま返付する等積極的に議決しない旨の意思を表明したとき、会期の定めあるにかかわらずいたずらに当該会期を空費し、或いは会期を定めずして故意に議事を遷延し、法定の期間又は相当の期間内に議決を得ることができないとき、議会開会後天災地変等のため、法定の期間又は相当の期間に議決を得ることができないとき等が考えられる。

 

 ということで、市長側の判断は一般的に出回っているこの解説本を参考にし、自身に都合の良い解釈をしたのでしょう。この解説の下線部分を勝手に解釈すれば、「継続審査」としたことは、「等積極的に議決しない旨の意思を表明した」と受け止めたということにしたんでしょうね。「等」に「継続審査」は含まれ、「継続審査」という結論は「議決しない旨の意思の表明だ」という勝手な解釈でしょう。たぶん。

 

 大きな間違いです。先ほど書いたように、待つしかないのです。結論を出せるように議論が出尽くし、煮詰まるまで。それが議会本来の務めですから。

 

 もっと言えば、そういうことも想定して議案として提出すべきなのです。そういう意味では国会の方がずっと大人です。

 

 廃案なんて頻繁ですね。継続して審査してもらえるだけありがたいと思わなきゃ。そして、市長ではなく議会担当窓口が土下座してでも会期中にまとまるようにあの手この手を使わなきゃいけません。

 

 ですから、専決処分不承認になって間髪を容れず辞職したことだけは評価できるものだと思います。