立て続けに書かせていただいたこのシリーズですが、誤字脱字があったらお許しください。

 

 さて、何件か感想のメールをいただきました。ありがとうございました。

 

 頂いたメールの共通点はというか、共通点があるのです。それは仕事をする流れについてです。

 

 よく言うところの、PDCAサイクルの流れがあるのか?というニュアンスです。

 

 頂いたメールを拝読して、はたと考え込んでしまったのは、改めて冷静に過去を振り返ってみると、何度かこのブログに書かせていただいておりますが、船橋市役所の仕事って、「きっかけ」が変(笑)。

 

 というか、地方公共団体の悲しい現実として、

 国(県)の施策に基づき、やらなければならないこと。

 国(県)の施策に基づき、やっても良いこと。(やってもやらなくても良い)

 その地方公共団体の独特の事情により、住民ニーズの高いもの。

 地方公共団体内における地域格差が生じていて、不均衡、権衡を保てていないもの。

 等々があって、首長の経営判断能力、議会の力学などにも左右されながら、事業決定の優先順位などが決まるのですが、その決定過程が変なのだと思うのです。

 

 中長期的に考えて計画的に行うもの。急激な事情の発現により急を要するもの。などいろいろとありますが、「変」なのは、物事の整合性が取れていないこと。のような気がします。

 

 まず、中長期的に考えていないかというと、すべて考えているのです。中長期的に法令に基づくものも含め、あるいは近隣地方公共団体に横並びのものだったりと、その種類は様々ですが、まあ、驚くほどの「各種」「計画」「プラン」と称するものがあります。

 

 しかし、それをつくるまではすごいのです。形を整えるのはメチャクチャ得意で、立派な大学の先生などに「策定」のための会議体の「長」になっていただき、「箔」をつける。


 格調高い文章、美文、名文の仕上がりの報告書を「事務局」なる職員諸氏が作り上げます。昨今は、インターネットの普及でネットの世界で、机上でのコピペから「キーワードになり得る『単語』」の抽出をし、文章を作り上げていくから楽なものです。

 

 更には、データや事例の収集などもすべてインターネット上で拾い集めることが出来ますから、玉石混交の情報も、プレゼンテーション資料作成アプリケーションで信頼性の高いように見えるものに仕上がります。

 

 そして、それが基軸になって物事が動いてくのなら、「変」って思わないのですが、船橋市役所では、報告書にまで仕上げることが一つの事業として成り立っていて、それで「事業完了」なのです。

 

 報告書は報告書。実事業は実事業でまた一から構築。って感じです。実事業を行うには、「○○計画」や「○○プラン」などは、「参照」程度の扱いで、「~に基づいて」とはならないところがすごいです。

 

 なぜならば、人事と進捗(進行)管理ができないからです。たぶん、すべての「○○計画」や「○○プラン」などを把握して、関連付けて考える力、読み込む力を持っている職員は一人としていないでしょう。

 

 これは、別の話ですが、自課の法令管理さえもできていない実態があります。私は予てから、各部に法令・例規・議会専任(主幹クラス)担当者を置くべきだと思っています。各部の所管する法令を常にウオッチし、適時適切に条例等改正をし、それらを含め、住民ニーズを拾い上げるための議会対応も含めて専任とする職員の育成配置が必要だと思っております。

 

 そういう人材が育成できてくると「○○計画」や「○○プラン」を総合的に俯瞰して見られる人材に育っていくのです。なぜならば、各部の法令例規に精通していながら、議会対応をすれば、おのずと議会対応において他部の同職種の職員との関係が密接になって、情報共有が自然と行われるようになるはずなのです。

 

 ここで「なるはずなのです。」と書かせていただいたのは、「真剣に仕事をすれば」という前提条件が付きます。「真剣に仕事をすれば」これに限らず、なんだってちゃんとうまくいけるだろうという方がいらっしゃるかもしれませんが、今現実としては、どちらかというとそうでなくても仕事は回っているように見えるし、どんなに提案してもトップダウンで否定されたら終わりだし、手順を踏んでやっていてもトップダウンでつぶされちゃうしというような、「やってられない感」がどちらかというと蔓延しておりますから、どんなに重要な任務があっても、うまく進まないのです。

 

 そこは、確実にその任務を終えると昇進の決まっているポストという位置づけが多分必要になってくるのだと思います。

 

 それらによって、一つのサイクルが生まれて固定することが肝要だと思います。