毎度毎度都政新報から話題をいただいていて恐縮至極なのですが、船橋市の職員の方々からいただく「話題」は、どうも前向きになるものではなく「失望」が増幅されていく話題が多く、しかも、何度かブログに書かせていただきましたが、私がその施策に関わったというものに関しても「不正」があるというニュアンスの連絡をいただいたりと、もう、凹む話が多いのです。

 

 その時に、言われるのが「議会の機能不全」です。

 

 なんだかいろいろと考えさせられています。(笑)先般、新しく本棚を導入しました。それまで分散していた書籍を整理しつつあります。議会・地方自治がらみの書籍がやっとまとまって収まることになりました。しかし、デザインを重視したら、驚くことにハードなカバーというか、箱に入った書籍は全て箱は廃棄。剥き出しで本棚へ。

 

 設計事務所の家具というのがウリの本棚で、A5サイズピッタリというのが気に入ったのですが、それが正確すぎて、本そのものしか入らないのです(笑)。まあそれも美しいのですが、その正確さに驚いてしまいました。

 

 まあ、そんな中改めて「議会のロジも重要なんだよね」というある大学の先生の言葉を思い出しました。

 

 地方政治や地方議会をどんなに語っても、地方公共団体の様々な施策に関しての書籍をはじめとして政策がらみの議論は数多く行われていますが、議会を取り回す後方支援としての役割を常にアップデートする仕組みはどうもここ数年で途絶えてしまっているような気がします。

 

 この東京都の議会局長のような方を迎えられると良いとは思いますが、そうでないと、なかなか大変であると思われます。

 

 都政新報より

 

 職員が能力伸ばせる環境に

 小山明子・議会局長

 

 二元代表制の一翼を担う都議会を補佐する立場に就き、「都議会が権能を最大限発揮できるよう常に適切に補佐するのが根本的かつ究極の目標」と意気込む。本会議や委員会の円滑な運営のため、「法令や前例を構築物のようによく理解した上で、今にふさわしい対応を見いだしたい」と心構えを語る。

 

 長谷川

 この発言の意味はめちゃくちゃ深いんですよね。ほとんど多くの、日本全国の地方公共団体の議会の職員は「首長」の職員としての採用で、そこから「違う機関」の職員として「出向」あるいは「派遣」されているようなイメージで「人事異動」で働くことになります。従って、働く意識は、「首長」を意識したものになりがち。

 

 この局長は「都議会が権能を最大限発揮できるよう常に適切に補佐するのが根本的かつ究極の目標」と優等生の発言をしています。心の底からの発言であれば素晴らしいことでありますが、「二元代表制」と言われる地方議会ではいわゆる「対立の構図」になるケースもあります。職員採用した首長側と議会側の対立です。

 

 その時に、「権能を最大限発揮できるよう常に適切に補佐する」ことができるか?です。議会が議会の権能を最大限に発揮するとどうなるのか?です。そのことを多岐にわたってイメージできるかどうかです。それは、書籍などによる情報ではまったく無く、「経験」と「経験者からの見聞」によるところの部分がかなり大きいので、ある意味、そこまで体制構築ができているかです。

 

 そもそも、過去に遡れる情報、その議会の歴史も含め対応方の過去の記録が後世の対応のためのまとめができているか?

 

 千差万別の地方議会運営の実例を含むデータベースを持っているか?

 

 議会運営ノウハウを熟知した職員の人材育成ができているか?などから始まって、「権能を最大限発揮できる」環境整備ってそれら以外に「議員の資質」と「議員の意識の向上」が必要なのですが、これを議員個々全てに求めるのは絶対に無理なわけです。

 

 たぶんこの辺までの議論というのは日常茶飯に行われていると思います。しかし、その解決策を見出すことがかなり困難なことだと思うのです。

 

 なぜなら、議員には「公務員マインド」に相入れない議員が数多くいるからです。それを公務員どっぷりの職員局長がどんなに理想論を唱えても、越えられない壁があると思うのです。

 

 まあ、それを言ったらおしまいよという感じですが(笑)。

 

 都議会は今年度、ホームページのデザイン等の見直しを予定しており、情報公開推進委員会での議論を踏まえて、「都民にとって、より見やすく、使いやすく、わかりやすいホームページを目指して、デザインやレイアウトなどを改善していく」という。

 

 議会局の仕事の中で思い起こすのが、同局調査部長時代だ。都議会の調査をサポートする上で、議員目線で関心事や優先事項を理解しようと取り組んだ。「執行機関の立場では理解が及ばなかったことを学ぶ機会になった」と振り返る。

 

 長谷川

 「執行機関の立場では理解が及ばなかったことを学ぶ機会になった」とはどういうことか?です。先ほど書いた、議員の側に立った「思考」などが理解できたのでしょうか?あるいは議決機関としてのその職責・権能の部分に理解が及ばなかったのかです。

 

 微妙な感じです。

 

 過去の印象深い仕事としては、主税局徴収部の副参事として携わった税務基幹システムの開発を挙げた。部間で条件が折り合わない難題を解決するため、各所管部の副参事3人でタスクフォースを結成。項目ごとに解決策を立案し、各部の理解を得ながら進め、予期せぬ速さで調整を完了できた。「管理職の存在意義を実感した」という。

 

 こうした経験から、職員には俯瞰的な視点で仕事をすることの大切さを訴える。「仕事の遂行能力は無限に向上していけるものと思っている。(局長として)職員が安心して能力を伸ばせるような環境を整えたい」と話し、常に職員が相談しやすいよう、どんな時も「上機嫌で対応できる上司」像を理想に掲げた。

 

 長谷川

 上記二つの段落は、公務員の先輩としての意識ですから、ぜひ、この通りに進められると良いだろうなと思います。

 

美術館・博物館を巡るのが趣味で、コロナ禍で都内の小さな私立美術館や区立・市立の郷土資料館など身近にある施設の魅力に気づき、「東京は奥が深い」と感嘆する。お気に入りは墨田区立すみだ北斎美術館で、年間パスポートを所有しているという。津田塾大学芸卒、58歳、9B。