都政新報の記事ですが、気になるものを別のブログタイトルで引用させていただいており、スタートはこの記事でした。
都内の各区はいろいろと工夫をしているようです。東京23区とは類似するところが多い船橋市ですが、果たして、戦略的にきちんと人事や組織の再編、構築が行われているのでしょうか。
特別区組織・定数分析①
23区全体で7年連続増
コロナ対応で行政需要大きく
特別区全体の2022年度の職員数は6万3483人で、前年度からほぼ横ばいだったことが本紙の取材で分かった。増加率は0.09%で、7年連続の増。各区では新型コロナへの対応やワクチン接種での体制強化やデジタル化、児童相談所の開設準備などで増員となる一方、東京2020大会関連の組織の廃止による減員が目立った。職員数の増減の内訳や主な組織改正について分析する。
コロナ・DX
各区の職員数の増減を見ると、増員となったのは14区、減員が8区、増減なしが1区だった。増加率が最も高かったのは千代田区の2.92%。次いで文京区2.19%、板橋区1.25%、中央区1.10%などが続いた。
主な増要因は新型コロナ対応のワクチン接種やデジタル化など。千代田区は健康推進課保健予防係で新型コロナのワクチン接種担当を応援対応から専任に変更して4人増、HPVワクチン接種の積極的勧奨の再開を受けて1人増とした。区人事課は専任への変更について、「応援職員を出せる組織の負担感を考慮した」と話す。新宿区も同様に、ワクチン接種業務の体制強化のため、健康部保健予防課で応援職員を専任に切り替えて22増とした。
長谷川
「応援職員を出せる組織の負担感を考慮した」とありますが、まずはこの意識を持って緊急対応をすべきですし、緊急時が落ち着き始めたら、今回の経験を活かしあるべき姿をまずは考えるべきでしょうね。
とはいえ、次の記事では新宿区のように「感染症対策やワクチン接種は国や都の施策に左右されるため業務量増減の波が大きく、体制の整備方針を策定しにくい」ということですから、全庁的に納得感のある理由をコンセンサスを得ながら組織を変化させていくしかないのかもしれません。
新型コロナの人員体制については、「コロナ対応の現在の体制をいつまで維持する必要があるのか」(中野区)、「感染症対策やワクチン接種は国や都の施策に左右されるため業務量増減の波が大きく、体制の整備方針を策定しにくい」(新宿区)と複数の区が頭を悩ませている。荒川区は「ワクチンの4回目接種の話も出ており、当面の間は体制の維持・強化が必要」と話す。
このほか、コロナ対策やワクチン接種の体制強化のため、文京区は保健衛生部予防対策課感染症対策担当を15増、品川区は保健予防課を7増、大田区は感染症対策課で7増、世田谷区は世田谷保健所で10増、杉並区は保健予防課で18増、足立区は新型コロナウイルスワクチン接種担当部で14増などとした。
各区にとってコロナ対応の人員確保は共通の課題で、行政サービスに影響が出るのを避けるため、特定の部署ではなく、全庁から少しずつ人を集めている傾向がうかがえる。ある都心区では「欠員の部署もあり、行政需要も増えている。決して余裕がある状況ではない中で、コロナ体制を作っている」と明かす。
長谷川
いずれにしても、新型コロナ関連は、ある程度固定化させるのがトレンドなのかもしれません。
■DXで新組織
デジタル化では、組織を新設する動きが目立った。渋谷区は区政のDXを総合的に推進する「デジタルサービス部」を開設し、経営企画部から▷ICTセンタ▷スマートシティ推進室▷広報コミュニケーション課の3課を移管。行政手続きの「オンライン化や子育てや介護など個々に応じた情報提供などに取り組むこととした。世田谷区は「DX推進担当部・課」を新設し、部長級1人、課長級3人を含めて4人体制とした。
中野区は総務部に「DX推進室」を新設。部長級1人、課長級3人を措置し、2024年5月に予定している新庁舎移転に合わせて、行政手続きのデジタル化や働き方改革を加速させる考え。
長谷川
DXの波が押し寄せている感じがしますが(笑)、さてさて、ただただ踊るだけは意味がありません。十分なる理解と戦略が必要ですね~。
■五輪関連の組織廃止
一方、東京2020大会の終了に伴い、各区で東京大会関連の組織やポストが廃止された。減員の幅が大きかったのは江東区の22減、新宿区21減、墨田区15減、渋谷区11減など、競技会場の所在区での削減が目立つ。
一方で、中央区は選手村跡地のまちづくりが本格的に始まるのに備え、晴海特別出張所の体制整備で4増、晴海保健センターの開設準備で3増とした。選手村跡地に約1万2千人規模のマンションができるため、24年度の出張所と保健センターの開設に向けて準備を加速する。
長谷川
これ、恐ろしい話ですね。都心のど真ん中で、一気に人口が増加する。どんな現象が起きるのでしょうか?
また、北区はスポーツ振興課内に「トップアスリートのまち推進係」を新設。味の素ナショナルトレーニングセンターなどがあるため、ゆかりのあるアスリートが多く、今後もアスリートとの連携事業やレガシーの継承に取り組むとしている。
区の定数の減少率が1%を超えたのは、江東、大田、練馬、江戸川の4区。東京2020大会関連の組織廃止による減とともに、保育所や児童館などの業務委託などが減の要因となっている。
長谷川
さてさて、業務委託などが進んで定数の減少とは素晴らしいことです。メリハリをつけてやるべきことをやる。但し行政サービスの提供って、外部に任せたから「定数」を減らすのか?って思わず疑問符がついてしまいました。
その分で、新たなサービスの創出が必要なのではと思うのですが…