この連載記事を読んでいくつかのポイントで興味を持ちました。連載が続くようですので、引き続きで書かせていただきます。

 

 都政新報より

 

 自治体政策のススメ

 都政新報令和4年4月8日号 

 ロ腔衛生保健と健康③

 元新宿区健康部参事矢澤正人

 

 食べる機能を支える「連携」

 

 前回、国の掲げた「8020運動」という目標に対して、国民はもとより、さまざまな関係者の努力により、2016年の国の調査で国民の半数を超える人々が8020達成者となったと書きました。確かに国民の歯の健康は増進されたと言えそうですが、これでロ腔保健の問題は解決したのでしょうか。

 

 厚生労働省の小椋歯科保健課長は講演の中で、高齢になればなるほど「かみにくい」というような訴えが増加していくことを指摘しています。さらに歯科治療の需要の将来予測について、従来の「歯が抜けたところの形態を修復する医療」から「口腔機能の維持・回復」にシフトしていくとし、歯科医療機関においては、治療はもとより、口腔機能管理・医療連携が求められると述べています(21年12月、第19回フォーラム8020)。

 

 確かに高齢者が多く入院する病院では、口の中に歯が多数残っていても口腔機能が低下している方々がいらっしゃいます。その方々にも、口から食事を摂っていただくためには、食べる機能の検査を行い、その機能に合わせた形態の食事を提供することが必要です。また、食べる時の姿勢、介助する方々の食べさせ方などの工夫が大切になってくるのです。そして、それを支える医療関係者は、医師・歯科医師・薬剤師・看護師・歯科衛生士・管理栄養士・言語聴覚士・理学療法士・作業療法士など多岐にわたるとともに、介護職の方々とも綿密な「連携」を取っていかなければなりません。

 

 高齢になっても、おいしく安全に食事が摂れるためには、地域におけるこのような連携体制の構築が今後、ますます求められていくのではないでしょうか。そして、この「連携」の大切さは、自治体政策のさまざまな分野でも課題となっていると思うのです。

 



 

 やざわ•まさと

 東京医科歯科大学大学院歯学研究科(予防歯科学)修了。歯学博士。新宿区健康部参事などを経て、医療法人永寿会陵北病院歯科勤務。日本在宅ケアアライアンス事務局次長。近著に『私の口腔保健史~保健所歯科医の歩んだ道~』。

 

 長谷川

 (笑)。かなりやばいです。どうもデジャヴ的意識がありまして、よくよくチェックしたら、以前違うタイトルでこのシリーズを書きはじめて書いたつもりでいたのですが、アップしたものとアップしていないものとを取り違えて消してしまったらしく、同じ趣旨のことを書きます。実は、私の父を含めて元気にしてい高齢の方々って、人間ドックや公的な健診などを積極的に受けていらっしゃいますが、どうも、「歯科」は、忘れがちというか、おろそかな感じがします。

 

 と申しますのは、父は亡くなりましたが、総入れ歯でした。

 

 私の知人の経営者の方もお元気に会社経営をしていらっしゃいますが、総入れ歯です。まだ60代です。

 

 というように、「私総入れ歯なんですよ」という方にお会いする機会が結構あるのです。ということは、この「8020」運動とは真逆な結果を背負っていらっしゃる。

 

 今回、次回の連載でもそうですが、高齢者施設などで「歯科」の問題点にぶつかりケアを行ってもらえる環境が整う。しかし、元気な高齢者を含め壮年の皆様も外れがち。なのではないか?という素朴な疑問が生まれているのです。

 

 同世代や、少し年上の先輩方にお会いする機会は多いのですが、話題の中で「健康」は一番の中心で、血圧やら血糖値やら尿酸値やらの話題がない時はありませんが、「歯」が話題になる時ってほとんどないのです。

 

 たまにあるのは、「インプラント」もの。おやりになっている先生には申し訳ありませんが、私は話題としてでて、「感想」などを求められる時は「保険適用でないということは、まだ国が『良し!』ってことを認めていないという意味ですよ。」ということにしていますが、そうすると、どこどこの誰々はそれやってから寝たきりになったらしいよ。とか具合悪くなったらしいよ。とかの話の展開になったりします。

 

 なので、「まあまめに歯医者さんの検診受けた方がいいですよ。」とは言いつつも、私自身も「痛くなってから」しかお伺いしない姿勢を改めなければなりません。(笑)。反省。