ニュースを見聞きした全ての人たちが怒りに打ち震えているだろうことは想像に難くありません。

 

 そして日本全国の園児送迎バスに子供を乗せている保護者の不安が一気に増したことでしょう。

 

 幼稚園、保育所、子ども園、それぞれに経営形態によって送迎バスの運行をしているでしょう。さらに言えば、経営者の経営姿勢によって送迎バス運行の手順の中に二重三重のチェック体制を取り、かつ安全対策を徹底的に行なっている経営者がほとんどだと思います。

 

 さて、「保育所」の運営は、幼稚園とは違い、また子ども園はその間くらいに定義づけしますが、行政が強く関与します。

 

 今回は行政に責任というには難しいとは思いますが、二度とこのような事故が起きないように対策を考えるのは行政の責任かもしれません。

 

 ニュースによると園長が運転手をしていたようです。これが私立保育園の実態でしょう。人手不足による勤務の実態。働き方改革で、保育士の働き方も十分に考慮しなければならない。夏休みを保育士に与えるために園長自らハンドルを握ったのか、恒常的な人手不足や経営難で運転手を雇用できないのか。

 

 疑問に思えることは山のように出てきます。

 

 しかし、繰り返しになりますが絶対に起こってはいけないことが起きてしまったのです。

 

 「点呼をしなかった」=乗車の点呼、降車の点呼、登園の点呼がきちんと確実に行われていれば全く問題なかったはず。

 

 バスへの施錠=駐車場所との関係もありますが、自園敷地内であれば駐車スペースのセキュリティ強化をして、保育時間中は施錠をしない。当然子供とは完全分離。屋根付き駐車スペースを用意できれば窓を全開する。仮に全開をする手順があれば降ろし忘れることはありえないのだが。

 

 感染症対策=今は、新型コロナウイルス感染症が主に言われておりますが、子供を取り巻く感染症はものすごく多いのですから、本来は、バスの乗降時に各座席に問題が無いかのチェック。

 

 それより何より、運転手以外の乗降補助の「大人」の乗車。

 

 また、車内カメラと音声を拾えるリモートシステムも現在は安価に導入できるのではないでしょうかね。園事務室でモニターできるようにすることのイメージです。

 

 普通にやれることを書き出しただけですし、そんなことは当たり前にやっているという経営者がほとんどだと思います。

 

 しかしいるんですよね。守銭奴のような経営者。そういう人が児童福祉、幼児教育の世界にはいてほしくありませんね。

 

 ただ、いずれの園の経営形態でも、「儲け」を出せない仕組みがあるのですから、「死」につながってしまうことへの安全対策には、金額の多寡ではなく、確実性があるのであれば、行政が支援をするべきでしょうね。

 

 行政の金銭的支援って、行政が考える「これでいいだろう」の事業、内容にしか使えないような支援策の上限額があったりします。

 

 行政が考えるよりもより確実で安全が確保できても行政が気づけなかった「仕組み」「方法」「製品」などは、「前例がない」「実績がない」などの理由をつけて支援をしなかったりします。

 

 逆に行政の側から言えば、その支援の予算をつけて、事故が起きたら「行政にも責任が及ぶ」という思考です。

 

 こういうことで堂々巡りをして、本質の議論がどこかへ飛んでいってしまうことになります。

 

 今回の事故は十分な検証を行って再発防止を着実、確実にお願いしたいものです。