さて、中華人民共和国全国人民代表大会が閉幕にあたって香港特別行政区における国家安全保護に関する法律制度が採択されるということがニュースになっており、アメリカや我が国の右側論客の方々が吠えまくっている感じです。

 

 さて、私もどちらかというと右側の思想を大きくもつ一人です。

 

 しかし、なんとなくいただけないなあ~という思いでネット上の動きを拝見しています。

 

 なぜ、日本国に生まれ育ち、立派な大人になった方々が、日本国の制度、日本人の思考で押し付けというか、無理強い的なことをしようとするのでしょうか?

 

 我が国が法律を制定する時に、どこかよその国の国民がいちいちものを申すのでしょうか?

 

 まあ、日本国内で中国のことを言っている分にはなんら問題はありませんが、外交に大きく関わる立場にある国会議員が、申し述べるのは適格でないと思います。

 

 しかも、なんだか今は、アメリカなどいわゆる西側諸国というか、特にアメリカですが、アメリカが自国の大統領選挙と経済問題との関係で、必死になっているのに、感情論でものを言っている日本の政治家はじめ右側論客の方々のことが解せません。

 

 確かに、今回のCOVID-19も発端は中国だったかもしれません。対外的な情報の露出も遅れたかもしれません。

 

 でもちょっと待って。

 

 アメリカや我が国右側論客の方々は、妙に中国に対して、上から目線の部分と逆の部分が混在していないでしょうか?

 

 途上国のくせに見せかけだけの発展をしやがって。とか、我々が経済的に助けてやらなきゃ、発展はなかったくせに。とかいう気持ちが根底にないでしょうか?

 

 無理です。何をどう言っても。ここまで発展するように...。アメリカも日本もヨーロッパ諸国もみ~んな、ここまで発展するようにしたじゃないですか?ということです。

 

 私が、中華人共和国陝西省西安市に駐在し、ホテルを作るプロジェクトにおいて末端の社員として働いていた時、まだ西安市に外国人の長期滞在は、留学生を除いたら本当に数えるほどでした。

 

 ヨーロッパの製薬会社の人や、ほんの一握りのホテル関係者くらいです。北京や上海にはそれなりの外国人の方々が駐在し、外国の公館も数多くありました。

 

 そして、世界中から集まってきているビジネスマンは自国のため、自社のためを最優先に、中国という国からお金を持って帰るために必死になっていました。一方、中国の側も、世界最先端の人、モノ、金をより多く手に入れるために、そして、自国を発展させていくために、世界各地の共産主義国が経済的に立ち行かなくなるのを尻目に、自分たちだけは、うまく立ち回って、発展していこうという意識のもと、国家国民が一丸となって現在に至っているのです。

 

 それは、中国共産党の一党独裁政治により、社会主義市場経済という言葉さえも作り出し、勤勉でお金が大好きな中華民族をしっかりとコントロールして、紆余曲折はありながらも、大胆かつ繊細なコントロールによって調整を重ね、発展をしてきて今があるわけです。

 

 かつて、戦後の冷戦時代から資本主義か共産主義かという教育により、資本主義こそが人道的で、先進的で、自由で、享楽的で、生活がしやすい、素晴らしいもので働いた者が報われる社会であるとして、ここまできたわけですが、さて、民主主義的資本主義社会が必ずしも未来永劫素晴らしいのかというと「?」となりつつあるわけです。それが中華人民共和国という共産党一党独裁国家の経済的成功に見える現在、それを肯定することができない人々が、理屈をこねて騒いでいるようにしか見えなくなってきたのが今日この頃の私なのです。

 

 繰り返しになりますが、私が中国に住んでいた1986年頃からは「西側先進諸国」のビジネスマンは、あの巨大な人口の貧しい人々から利益を得ようと必死でした。アメリカだけではありません。ドイツ、イギリス、フランス、イタリアなどをはじめとして、本当に多くの世界中の人々が何でもかんでも売っちゃおうという感じでした。

 

 そして、機械を、技術を、サービスを売り、さらには安価な人件費を使い、中国も、売り込んだ国も、双方の国民もそれなりのものを享受し、全員がWinWinの状態になっていたではないでしょうか?

 

 それがいよいよ、人口が多いとはいえ、経済規模が莫大になり、その主導権を取り始めたら、きれいごとのように人権など言いながら攻め立てているのはさてさてどうなんですかね?と。

 

 少なくとも私が駐在している頃から差別などは当たり前。人権を踏みにじるような行為も当たり前。そういうことを世界中が知っていながら自国の経済優先で、目をつぶっていたじゃないですか。という感じです。

 

 それを今更感のある感じで見ている人って結構多いと思いますね。

 

 もっといえば、この香港の問題や台湾の問題など、中国国内の人民達は同情もしなけりゃ、応援支援もしないのはなぜでしょう。しっかりと経済発展が続き、人々の暮らしはどんどん良くなり、言論や行動の自由もどんどん西側先進国に近づきつつある現代中国は、中国社会の実情に合わせた、まさに使い古された言葉ですが「改革開放」が「着実」に身を結んできている話なのです。

 

 私は、今必死に見極めようとしているのは、After COVID-19で世界経済を主導するのはどこなのか?ということです。

 

 私は、中国であり、インドであり、ロシアであるのではないかと思い始めているのです。

 

 成熟しつつあった西側先進諸国はむしろダメージが大きすぎ、旧来からの理論で立ち直るかどうかを考えるのだとしたら、むしろ、失うものの少ない発展途上だった国の方が立ち直りは早いだろうと。しかも、独裁であればあるほど国のコントロールでいける部分が出てくるのではないか。と思うのです。

 

 日本という国の「民間・私企業」がアメリカのマンハッタンのビルを買いあさった時がありましたが、そういうことをしておきながら、中国の不動産投資にキイキイいうことや、一時世界中で悪評がたった日本の団体様ご一行の旅行団だったのをお忘れなのでしょうか?日本へのインバウンド批判がありますが、さてさて。あまりにも自分たちがやってきたことに酷似していて恥ずかしいからなのでしょうか?

 

 私もホテル業界の片隅にいて、観光開発の勉強や、天安門事件による旅行者ゼロを何ヶ月も経験したことからいうと、こういう時にメンタル的にも強いのは確実に「中華民族」でしょう。たくましくたくましく生き残るでしょう。

 

 私が、こういうことを書かせていただくきっかけは、若い中国研究者の存在を知ったからです。しかも政治家を目指していて、政治で中国との関係構築、外交を展開させていきたいようです。

 

 失礼ながら今までの親中派の政治家は多分、おそらく、「日中友好派」だった方々で、経済関係などは、全く意識せず、ただただ、ニコニコしている時代の日中友好派だと思います。

 

 私が、今回私自身の経験に照らし合わせて最も考え方が一致している実務で中国を分析評価している方です。今までも中国評論家や学者はたくさんいました。私も色々とお話を聞いたり、本を読んだりはしましたが、それは日本人の評論家であり学者であるという肩書きで中国に接触して、Deepに情報を取り、裏を取り、分析をしたというような方々に巡り会えなかったのですが、この方は、今後の日中間の様々なシーンでご活躍になる方だと思います。

 

 何度かブログでも紹介しましたが、「中川コージ博士」です。

 

 手っ取り早く、知るためにはYouTubeの番組をご覧になると良いと思いますが、ある程度の中国の基礎知識がないと理解できないかもしれません。

 

 中川コージ博士のYouTubeチャンネル