さて、前回の続きですが、もう一度議案に関して書かせていただきましょう。

 

 今回のケース。

 

 船橋市の条例が少々遅れています。何故ならば、平成20年だったと思いますが、地方自治法の改正によって、第203条に「議員報酬」なる言葉が出てきました。ここで簡単にいうと、議会の議員は以前は、非常勤特別職のくくりで、他の非常勤特別職と一緒の扱いでした。それをこの改正によって、非常勤特別職という言い方から外され、「議会の議員」になったのです。

 

 解説はまた次回にしますが、まずは船橋市議会での過去の記録です。

 

 これらの議論もあり、さらに本会議でも発言があり、前任議長が整理をしようと頑張りましたが、そもそもの理解できない会派代表が多く議論が深まりませんでした。

 

 まずは地方自治法。

 

 第八章 給与その他の給付

 第二百三条 普通地方公共団体は、その議会の議員に対し、議員報酬を支給しなければならない。

 

 ○2 普通地方公共団体の議会の議員は、職務を行うため要する費用の弁償を受けることができる。

 

 ○3 普通地方公共団体は、条例で、その議会の議員に対し、期末手当を支給することができる。

 

 ○4 議員報酬、費用弁償及び期末手当の額並びにその支給方法は、条例でこれを定めなければならない。

 

 第二百三条の二 普通地方公共団体は、その委員会の委員、非常勤の監査委員その他の委員、自治紛争処理委員、審査会、審議会及び調査会等の委員その他の構成員、専門委員、監査専門委員、投票管理者、開票管理者、選挙長、投票立会人、開票立会人及び選挙立会人その他普通地方公共団体の非常勤の職員(短時間勤務職員を除く。)に対し、報酬を支給しなければならない。

 

 ○2 前項の職員に対する報酬は、その勤務日数に応じてこれを支給する。ただし、条例で特別の定めをした場合は、この限りでない。

 

 ○3 第一項の職員は、職務を行うため要する費用の弁償を受けることができる。

 

 この条文の改正時の法律案の理由として書かれているものが以下です。

 

  理 由(169回国会地方自治法の一部を改正する法律案)

 普通地方公共団体の議会の実態等を踏まえ、議会活動の範囲を明確化する等のため、議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場を設けることができることとするとともに、議員の報酬に関する規定を整備する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

 

 で、今度は、平成29年の今回と同様の改正時の執行機関とのやりとり。まるでわかっていない。執行機関でした。上記の改正理由を読めば、船橋市の条例をどうすれば良いかはわかるはず。そうなれば、議会に相談を持ってくるのが執行機関の役割です。

 

 平成29年12月 7日総務委員会(記録)

 △議案第10号 特別職の職員の給与等に関する条例及び非常勤の特別職の職員の報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例について

 

 [質疑]

 ◆金沢和子 委員  議案第10号については、議案第11号、一般職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例があったのでという理由で改正をするということでよろしいか。

 

 ◎職員課長 おっしゃるとおりである。

 

 ◆金沢和子 委員  そうすると、一般職の方と非常勤職の方というのは、勤務形態が違うと思う。さっきの議論、あ、ごめんなさい、非常勤じゃないや。特別職の方。特別職の方の中にも、一般職と同じような勤務形態で働いている方もいらっしゃるかと思うが、特別職の働き方が必ずしも一般職の方と同じでない中で、あえて非常勤の部分を変える必要があったのかということも議論になるかと思うが、そのあたりについては、ご検討はされたのか。

 

 ◎職員課長 これについては、従来から、もともと条例の中で非常勤の特別職、議員さん、議長についても、常勤の特別職に連動するという形で条例がもうできており、常勤の特別職についても、従来から一般職の給与改定に合わせる形で改定してきているところである。

 近隣自治体などを見ても、そういう形で改定を行っているところが多いので、市としてもこういう改定を行うという考えでいる。

 

 ◆金沢和子 委員  それでは、特段、一般職だから、特別職だからという見地で何かをご検討されたというよりは、条例の規定どおりに変更したということでよろしいか。

 

 ◎職員課長 はい。

 

 ◎総務部長 そうなんだが、ただ、一般職については、これ、きちんとしたルールが、条例上も含めてだが、我々人勧に準拠してということで、条例に定めていると。特別職については、これ、考え方がまちまちあるのは承知をしている。そういった中で、ただ、一定のルールに基づいて改定をしていくことが政策の安定を図る上には必要であろうと考えており、船橋市の場合には、これ、いわゆる特別職の報酬等審議会条例の中では、給与については規定があるが、期末手当については規定がない。その中で、船橋市としては期末の部分については、一般職の動向、つまり、これは一般的な民間の動静というか、そういった部分もあって、一般職に準じてやろうということで判断をして、ずっと来ているという経緯がある。

 

 これ、他市も調べているが、さまざまである。ただ、船橋市のやり方としては、一般職に準じた形で期末手当については支給をしていこうということで、今日まで私どもとしてはやっているというところである。

 

 ◆浦田秀夫 委員  その、市長とか議員なんかの特別職については、議員……報酬審議会で審議すべきものだが、その中に給料はあるが、期末手当については定めがないと。そもそも報酬という考え方からいうと、期末手当は想定されてない中での規定ではないんじゃないかな。そもそも期末手当という性格は何に対する、一般職は給料の期末手当っていうことだが、報酬に対する期末手当って考え方ある……そもそも存在するのかどうかお聞きしたい。(「給料だから……報酬になると……」と呼ぶ者あり)だから、報酬なんだよ。給料じゃないんだよ。

 

 ◎職員課長 報酬に対する期末手当という考えがあるのかというご質問だが、例えば、国会議員などに関しても、期末手当という形で支給がされているかと思うので、(浦田秀夫委員「それはわかってんだ」と呼ぶ)そういう考え方はあるということでよろしいかと思う。(「期末手当ある」と呼ぶ者あり)

 

 ◆浦田秀夫 委員  実際はそうなんだが、考え方としてね、報酬っていうのは、給料と違って、何ていうか、実際は給料と同じように月々もらっているが、報酬って考えた場合、年間通じて報酬という考え方ある。そうすると、給料の場合は勤勉手当みたいな感じで、きちんと何日以上、決まって勤務したから、それに対して期末手当を払うと。これ、言ってみれば、給料後払いみたいな性格を持っているが、報酬の場合はそういうふうな位置づけに、理論上ね、なっているのかというのが、私ちょっと、実際はそういう運用しているのは承知の上だが──ってことをちょっと聞きたい。

 

 ◎総務部長 私ども、ちょっとそこは回答を持ち合わせていない。ただ、先ほど申したように、職員課長のほうからもお答えしたが、国の国会議員等々、慣例、そういったことに倣って、私どもも期末手当を支給しているというようなところだと思う。

 

 ◆長谷川大 委員  特別職の職員の報酬及び費用弁償等に関する条例で、議員報酬っていう言葉が新たに出てきたタイミングがあったじゃん。あそこでしっかり理論構築しておかなきゃいけなかった。っていうのはさ、地方議会の議員報酬っていうのは、ほかの報酬とは違う考え方でいくということが、これ、協議された上でこういう形になってきたはずだよ、たしか。ちょっとこれの制定経緯、ちゃんとよく読んで、そこの理論構築しないと、今、浦田委員がおっしゃった、報酬って一くくりじゃなくて、もう議員報酬っていう言葉に置きかわったんだよ。置きかわってからっていうのは、議員の報酬だけ別枠の扱いになっているから、それと非常勤なんかの報酬との考え方というのは別に考えていかなきゃいけないってことになっているんだよ、これ。そこ、全然研究してないで、国会議員でも出しているというのを、能天気にそこで答弁されちゃうとだめなんだよ。国会議員は歳費なんだから。我々の世界の報酬のことを歳費って言うおばかな議員も結構いるが、我々は議員報酬なんだ。そこの整理できてないでしょ、だって。考え方の。

 

 ◎職員課長 議員報酬と報酬は違うというご指摘かと思うが、現状の非常勤の(長谷川大委員「違うよ」と呼ぶ)職員の制度でも、非常勤職員に対しては期末手当的なものは、現在は支給できないということで総務省から話されており、議員については、このように(長谷川大委員「できるようになっているんでしょ」と呼ぶ)ええ。期末手当が支給されるということになっているので、それは違うということで認識してはいる。(「もらっていいんですか」「いいんだよね」「議員報酬になってから、もらってもいいってなったんですか。そういう意味なんですか」と呼ぶ者あり)

 

 ◆長谷川大 委員  いや、違う違う。(発言する者あり)あのさ、議員報酬って言葉が出てきたのはつい最近の話である、たしか。そう。議員報酬になる前から、議員には、だから、浦田委員のおっしゃることって、確かなの。議員報酬って名称に変わる前から、議員の報酬に、議員のほうには期末手当出てたんだよ。ほかの特別職の非常勤特別職は出てない。それは報酬の考え方の、地公法上だったかな、報酬の考え方が、ここのところに来て整理されてきている。それで、地方議会の議員の報酬に関する考え方っていうのも、しっかりさせてきているんだよ、今。その議員報酬っていうこの単語が使われるようになって、要するに、条例に定めるようになったときのバックグラウンド、背景をよくよく研究しておいてもらわないと、だめなんだ。(発言する者あり)もういいよ。

 

 ◎職員課長 この改正の経緯等について、私どもも研究する。

 

 ◆佐藤重雄 委員  いや、あの、この手当というのは、報酬審議会なんかでは、全く無視していいものなのか。議員にとっては総収入でいけば、報酬等になっているが、何となく別枠だったらいいやみたいな話っていうのは、私たちはやっぱりよくないんじゃないかなと思うが。(「報酬審やるときはそれはもちろんここまで含めて」と呼ぶ者あり)

◎職員課長 船橋市においては、先ほど申したように、手当は報酬審議会の審議の対象になっていない。ただ、他の自治体、公共団体を見ると、対象としているところもある。

 

 ◆佐藤重雄 委員  できればそれは対象にして検討するのが正しいと私は思うが、それはここでそうしなさいよなんて言うわけにいかないが。

 実額で今度の改正で、実額で誰がどうなるの、これ。(発言する者あり)いやいや。勉強会でもらったのと、ここで……(「あっちはまた違うんだよ」と呼ぶ者あり)そうそう。対外的に明確にするっていう。(「影響額」と呼ぶ者あり)

 

 ◎職員課長 今回の改正の影響額だが、例えば、市長、14万4000円ほど上がる。それから、議長、9万1000円ほど、副議長、8万2000円ほど、議員、約7万4000円の影響額となっている。1人当たりである。

 

 ○委員長(川井洋基) 佐藤委員、よろしいか。

 

 ◆佐藤重雄 委員  ま、いいや。この数字だけ明らかになれば。後は討論で。