第51条【議員の発言・票決の無責任】

 両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。 

 

 

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 上記の第六版からの引用です。

 

 (二)発言の免責特権  

 憲法51条は、「両議院の議員は、議院で行った演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない」と定める。この規定の目的は、議員の職務の執行の自由を保障することにある。したがって、特権の保障は、厳密な意味の「演説、討論又は表決」に限定されない。議員の国会における意見の表明とみられる行為や、職務行為に付随する行為にも及ぶ。もっとも、暴力行為はそれに含まれない。なお、「責任」は、民事・刑事の責任のほか、弁護士等の懲戒責任をも含むが、政党が党員たる議員の発言・表決について、除名等の責任を問うことは、差しつかえない。また、議員が職務と無関係に違法または不当な目的をもって事実を摘示し、あるいは、あえて虚偽の事実を摘示して、国民の名誉を毀損したと認められる特別の事情がある場合には、国家賠償法1条1項に基づいて、国の賠償を求めることができる場合もある、と解される(最判平成9・9・9民集51巻8号3850頁)。

  *議院の告発の要否  かつて第一次国会乱闘事件(東京地判昭和37・1・22判時297号7頁)と第二次国会乱闘事件(東京地判昭和同1・1・21判時444号19頁、東京高判昭和44・12・17高刑集22巻6号924頁)で、議員の職務行為に付随して行われた犯罪(暴力行為)について、その訴追に議院の告発が必要か否か争われた。議院の自律権を尊重し積極に解する説も有力であるが、それは新しい特権を議院に認めることになり、妥当ではない。右判決も消極に解する。

 

 私はこの解説にある、「厳密な意味の『演説、討論又は表決』に限定されない。」という部分を、勝手に拡大解釈する今回の議員たちがいるような状況では、両院でこの範囲を狭めるための協議や取り決めをするべきだと思います。

 

 原英史氏や高橋洋一氏など民間人を陥し入れるような発言をしても良いはずがありません。ましてや、この解説にあるように国家賠償法で告発できるといったってそのハードルが高いことを承知でやってしまうことなど言語道断です。

 

 私はこの51条の条文の文脈は、内閣総理大臣など国会のおける「演説」という名称で定義されるもの(施政方針、財政、外交、経済など)、討論はまさに議事の日程中における「討論」であり、「表決」は、まさにその態度を表明する行為とするべきだと思います。従って、質問中の例示や、「質問そのもの」での憶測等により人の名誉を毀損する言動は許されるべきではありません。

 

 もはや、国会議員の質の低下が進み、森ゆうこみたいな議員と呼ばれる人々が出てきている以上、解釈をなし崩しに拡大をしていけば、今回のようなことが起こるものだと思うのです。

 

 それは通告の時間の解釈もそうです。こんな自分勝手な解釈をする議員は法治国家にあってはならない存在です。

 

 自らをきちんと律することができるからこそ、立法府の議員であるのであって、憲法第51条をうんぬん言う前に「第41条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」と言う部分をどう解釈するのか?

 

 これも何らかの拡大解釈をするのでしょうかね?

 

 何とも書いていていやになってしまいますね。