前回のブログ、船橋市「行革レビューシート」を書き終えたあとに、友人から興味深い論文?記事?をいただきました。

 

 平成19年5月に都市研究センターの研究誌掲載の記事です。

 

 都市にサード・プレイスを創る 【久繁哲之介】 Urban Study Vol. 46(2007/05)

 (上記をクリックしてお読みください。)

 

 運動公園とグラスポの行革レビューが前回のブログでした。さて、行政の行うスポーツ行政のあり方とでもいうんでしょかね?

 

 について触れてみたいと思います。

 

 実はこれから書かせていただくことは、もともと市のスポーツ行政というか、に関わる担当の職員の方からお聞きした話に感銘を受け、ぜひ実施したいですね。と言っていたお話です。その職員の方はもうとっくの昔に退職をなさいましたが、その内容が伝わっていたのかいないのか?っていうか、結構業界的にはというか、この世界では一般的に言われている事案ですから、どうなんでしょうか?担当課でもある程度かじった職員が上っ面だけなぞったんでしょうね。

 

 船橋市総合型地域スポーツクラブ育成事業補助金交付要綱なるものを作って、適当に濁しちゃった。って感じ。(笑)。 

 

 これをたどってみると、文部科学省(スポーツ庁)に行き着きます。さすが(笑)、お国のやることは....っていう典型例みたいなものですね。

 

 総合型地域スポーツクラブ(左をクリックして、各記事をご参照ください。)

 

 (笑)。これに乗せられてというか、少々深めに研究した地方公務員の方々は手を出さなかったと思いますが...。

 

 平成30年度 総合型地域スポーツクラブ育成状況(H30.7.1現在) 

 

 私はね、日本の場合は、行政がある程度関わって立ち上げ支援をすべきだとは思いますが、こういう姿ではないな。と。

 

 何言ってんだかわかりませんよね。

 

 ヨーロッパ型総合スポーツクラブの創設です。

 では、どのようなもの?っていうと、最初に書いた、久繁哲之介氏の論文であり、私が職員の方から初当選してから間もない頃にご指導いただいた件です。その時には、確かその職員の方が研究していた書籍もお借りした記憶があります。

 

 ここでわかりやすく、久繁哲之介氏の論文の一部を引用させていただきましょう。

 

 西欧ではカフェと同様に、スポーツクラブがサード・プレイスと位置づけられる。サード・プレイスとして機能するカフェは飲食店でありながら、そこに集まる市民の交流が主目的で、飲食は従目的として位置づけられる。サード・プレイスとして機能するスポーツクラブも、そこに集まる市民の交流が主目的で、競技は従目的として位置づけられる。事実、スポーツクラブは実際にスポーツを行う「スポーツ空間」と、体は動かさず、おしゃべりや飲食など口だけ動かす「交流空間」から構成される。

 

 ~中略~

 

 さて、西欧にはプロサッカーの盛んな国が多い。このプロサッカーチームのほとんどが地域スポーツクラブである。例えば、世界最高峰のプロサッカーリーグであるイタリアのセリエAにはASロー マ、SSラツィオというチームがある。ASローマのASは、「Associazione Sporttiva」の略語、SSラツィオのSSは、「Societa` Sporttiva」の略語で、「ローマ地域のスポーツ協会」、「ラツィオ地域のスポーツクラブ」という意味である。この名称から解るように、西欧の地域スポーツクラブはプロ選手と地域に住む高齢者から子供までが同一クラブの構成員である。世界で最も有名な地域スポーツクラブ 「FCバルセロナ」は地域居住者約11万人の会員から構成される。100億円を超えるクラブ収入の内訳は約三分の一が会費であり、残りはテレビ放映権とグッズ収入である。FCバルセロナは広告収入がほとんど無いことでも有名である。FCバルセロナには現在、4つのプロチーム(サッカー、アイスホッケー、バスケットボール、ハンドボール)がある。人気と実力を兼ね備えたサッカーチームの ユニフォームには企業スポンサー名を入れると100億円前後の価値があると言われるが、会員規約でスポンサー契約を結ばないことを決めている。1899年創設から100年以上の伝統を有する赤色と黄色の縦縞ユニフォームに企業名が入らないことが地域構成員(会員)の誇りであり、地域構成員こそがクラブのスポンサーであることを表している。

 

 FCバルセロナも他クラブと同じように、プロ選手と地域に住む高齢者から子供までが同一クラブの構成員であり、皆が同一クラブ施設を利用する。したがって、一般市民はグラウンドではプロ選手の指導を受ける機会があり、クラブハウスのレストランでは隣席で食事をしたり会話できる機会もある。このように、地域スポーツクラブにおける地域構成員との交流は、憧れのプロ選手との触れ合いも含め年齢や能力等に縛られない開放的なコミュニミティを形成する。

 

 西欧ではプロチームが地元で試合をする日、街中はあたかも祭りのように賑わう(度が過ぎて暴動騒ぎになることもあるが)。多くの市民が自分と同じクラブ会員であるプロチームに高い愛着と関心をもち、試合当日はスタジアムのある街中に繰り出す。街中の商店も飲食店を中心に賑わう。地域スポーツクラブが地域に貢献する効果は計り知れないものがある。 

 

 少々長い引用をさせていただきましたが、まだまだ、全体をお読みいただきたいので、先ほどもリンクを貼りましたものをお読みいただきたいと思います。

 

 平成19年5月に都市研究センターの研究誌掲載の記事です。

 

 都市にサード・プレイスを創る 【久繁 哲之介】 Urban Study Vol. 46(2007/05)

 

 

 私はね、このヨーロッパ型はそもそもの歴史が違うといえば違うので難しいとは思うのですが、ここまで成熟してきたわが国において、更には、団塊の世代の方々が現役リタイアして、その子供、孫たちが豊かに生活するようになったこの時代に、まさにライフスタイルの大きな変化に対応してきた方々ですから、ヨーロッパのようにできるのではないかと思うのです。

 

 ところが、この文部科学省のイメージは市町村単位でしょ。無理。

 

 私は、このプロチームと会員が触れ合えるクラブが素晴らしいなと思うのです。

 

 東京ジャイアンツとJリーグ発足時の読売ベルディによって、うまくできないかなあ~と思っていましたが、無理でしたよね。

 

 とはいえ、様々な競技スポーツのプロリーグ化がどんどん進んできています。これらがやがて合従連衡がすすみ、ヨーロッパ型のスポーツクラブに収斂して行ってくれたらいいなと思います。たぶん、船橋市くらいの地方公共団体は、ある程度関わって、63万市民の多くが会員になる要素は強く、前述の部分をご覧ください。「『FCバルセロナ』は地域居住者約11万人の会員から構成される。100億円を超えるクラブ収入の内訳は約三分の一が会費であり、残りはテレビ放映権とグッズ収入である。」です。

 

 放映権料を稼げるプロチームがあって、グッズも売れるような地域愛溢れるチームに育って、となると素晴らしい話です。

 

 いやいや、何を夢みたいことを言ってんだと仰せの方がいらっしゃると思いますが、現在のスポーツビジネスのスキームではそう、夢物語です。

 

 しかし、工夫次第でしょう。失礼ながら、船橋市よりずっと過疎の町、地方都市でもしっかりスポーツチームを抱えているところがたくさんあります。しかし、サッカーのJリーグを見て二匹目のドジョウをとプロバスケットを誘致したところは苦労しているんじゃないでしょうか?

 

 そもそも、会場の規模がサッカーJリーグ、プロ野球と大違い。日本のスポーツビジネスはなかなか、なかなかって感じかな。思います。

 

 あらあら、逸れちゃいました。このヨーロッパ型スポーツクラブとレビューとはどう関係するのかって話です。

 

 運動公園、グラスポ、総合体育館の全部が、スポーツクラブを核として利用できるようになれば良いのではと思うのです。

 

 スポーツクラブを核とすることによって、施設整備計画や拡張がしやすくなるのではないでしょうか?そもそも、一つ筋の通った、柱になるものがあればそれを幹として、整備計画を年次で行なっていけば、定着をするのではないでしょうかね。

 

 船橋の何がダメかって、「スポーツ少年団」を理念通りに組織、維持できていないことです。

 

 公益財団法人日本スポーツ協会

 スポーツ少年団「理念」の再確認と今後のあり方について

 

 本来スポーツ少年団は、上記のような理念のもと設立されたものでしたが、競技スポーツごとの団体ができるにつれて、おかしな状況になってきてしまったよでうです。公益財団法人千葉県スポーツ協会までは、その理念なども継承されているように思いますが、こと市町村レベルになりますと、実は船橋市のみならず、市町村レベルでは、少々違うようです。小中学校の部活動と、地域のボランティアの指導者や様々な要因によって少々違っているのだと思います。

 

 そういうことも含めて、スポーツ全般を、乳幼児から高齢者までをどう組織していくかを、丁寧に考えるべき時が来ていると思います。

 

 そう考えた時に、さて、公が住民に提供する施設のあり方というのは、総合的にかつ健康増進など保健の意識をもちながら考えるべきです。