このシリーズを書き始め、これだけだったかな?となんとなく思い出して来て、実際の製本したものを引っ張り出して来て、再度チェックしたらブログでは途中で終わっていたようです。

 

 平成13年4月14日発行でみなさまにお配りしたものを、ここに再度掲載させていただきます。

 

 縦書きのものを、OCRでデジタル化し横書きにしました変換違いがあったらご指摘くださいませ。

 

 前回の続きです。

 

子育て支援都市宣言を行い、若さあふれる都市へ

 

 前述したのは、街づくりの観点から限られたところで、限られた施策を述べました。

 ここでは、市内全体での子育て支援について考えていきたいと思います。

 まず、船橋市の子育て支援体制はどうか?

 どうしようもねえよって感じです。中央省庁から言われたことをとりあえずやりましたと言えるだけのことはやっていると言うところでしょうか。不満だらけです。福祉福祉って言って、児童福祉をないがしろにしてちゃ、高齢化社会を支えられないことは明白なのに………です。

 

 だから、最初に住むところの話だけは書きました。本来ならば、市内全域に子育てのための公営住宅を建設することを提案したいくらいです。が、それはさておいて、今船橋市は子育てがしやすいのでしょうか、しにくいのでしょうか?しにくいと思います。まず、東京のベッドタウンという部分から住居費がかかります。物価も決して安くありません。そこで、仕方なく共働き。共働きには子どもを面倒見てもらわなければなりません。保育園、ゼロ歳児からあずかってくれます。良いことですか?私は私立幼稚園PTAの役員をするようになってから多くの、お医者様、大学の先生等のお話を伺いました。結果、百パーセント間違いないことは、せめて五歳までは、家庭での子育てを中心にするべきであること。そして母親が中心であることがもっとも肝要であること、です。女性の社会進出、それはそれで結構なことです。大いに働いてほしいものです。しかし、十分な子育てをしないなら、子供を生むことはいかがなものかと思います。だって、一歳や二歳のこどもはいつもママといたいはずです。それが、なぜか、起きている時間は、同じ年頃の子と、保育士といる時間が一番長いって言うのはいかがなものかと思います。

 

 まあ、その議論はさておいて、子育て環境をよくしないと、若年世代が住むことのない、高齢化率の高い街になってしまいます。

 

 子どもを、産みやすい環境。どんなことでしょうか?前述の住環境をよくして、三世代同居くらいが当たり前になれば、子育ての悩みなどを抱える方が減るのではと思います。そして、お散歩や遊びがしやすい環境。公園や緑地の充実です。船橋市の一人あたりの公園面積、緑地面積はどうも少ないようです。この部分に関しては、担当課はずいぶんがんばっていると思います。が、しかし財政的に厳しい中では、これらを増やすのは容易ではありません。何年か前からガーデニングのブーム。これらの趣味を持った方々を中心に、市内を緑だらけにしたらいかがでしょう?発想は簡単。何もない窓に、ちょっとした台をおいて、花を飾ると全然イメージが違う窓になります。どこでも、気がついたところに花や緑をおくような市民運動を行えば良いのでしょう。花いっぱい運動をしているようですが、今ひとつ認知度が低いようです。そこを行政がカバーしていけばよいのです。歩道を歩いても、お店に買い物に行っても、赤ちゃんや小さな子どものいくところが、緑が多く、お花が多いことってすてきじゃないですか。

 次に、困るのは、乳幼児の医療費。これは、もう議会でもさんざん問題になっていることです。私は、就学前完全無料化にすべきだと思います。だいたい、高齢者医療費は安くて、どうして乳幼児医療費が安くできないんでしょうか?前提条件が進うんです。高齢者の方々の多くは、自己の責任において老後を考えて数十年間暮らしてきたはずです。逆に、子育て世代は、そうしようと思ってもできる状態ではないのです。初任給をもらい始めて数年で結婚。蓄えもあまり無いうちに結婚適齢期を迎えるんです。子育て世代はまず収入が少なく出費が多いのです。子どもの将来のために貯蓄もしなければならない。衣服もすぐ小さくなる。ご主人も働き盛りでつきあいなどで出費が多い。保育園、幼稚園とどちらもお金がかかる。そんな中で、病気も多いんです。一ヶ月に何回お医者様にかかるでしょう。診療代に薬剤費。いくらお金があっても足りません。せめて、小学校入学までの間は、高齢者医療費のように、一定額で何回もかかれるとか無料にするとかしていくべきだと思います。そうしない限り、子育てはお金がかかるという固定観念が拭えません。少しでも、子供を産みやすい環境をつくることが大切です。次が、保育園か幼稚園。昔は、子どもの保育に欠ける家庭の子どもが保育園において、子守をするという措置制度でした。それが、いまは違ってきました。多くの保育園児の保護者は、食べていくために共働きではないようです。それ以上のよりよい生活を営むためだと思います。新しい家に住んで、良い車に乗って、年に何回かは旅行に行って、そこそこの衣服を身にまとい中流以上の生活を営むために、夫婦ともに働いている。そういう感じがおおよそ一般的ではないでしょうか?あくまでも夫婦が自分たちが中心ですから、こどもも少なくてよい。女性の社会進出も確実に進んでいますから、バリバリ働いている女性にはやはり仕事と子育ての両立が大変でしょうから一人っ子が増えちゃうんですね。これは、はっきりと数字に表れておりまして、就労女性の出生率は約0.6とゼロに近く、1を大幅に下回っています。逆に未就労女性の出生率は約2.8から9と限りなく3に近いのです。日本の合計特殊出生率は1.38と2を大きく下回っています。ということは、未就労の女性が日本の少子化に歯止めをかけているのです。更に詳しく述べます。幼稚園に過う子どもの母親は、概ね四時間が子どもが幼稚園で過ごす時間ですから、働くことはできません。送り出してもすぐに帰ってくるのですから。彼女たちこそ、未就労の女性なんです。子育てをしている未就労の女性の多くは幼稚園に子どもを通わせている。ということです。確かに彼女たちにお子さんは何人ですかと聞くと、二人から三人が圧倒的です。多い方で、四人から五人です。前述したように、幼稚園にお子さんを通わせているお母さんの共通点は、小学校に上がるくらい迄は、なるべく自分で育てたいし、子どもが好きだからって言う人が圧倒的です。長くなりましたが、共働きではない女性の方が間違いなく子だくさん。決して金銭的に裕福ではないんです。一方、就労女性の多くは、子どもを保育園に預けます。先程述べているように、就労女性の出生率は、未就労女性よりはるかに少ないのです。しかも、世帯可処分所得は就労女性の世帯の方が多いと思います。

 ところが、保育園は公立私立問わず、多くの税金を投入し運営されています。一方幼稚園は、私立に対しては税金の投入額はわずか。具体的に船橋市の例でいきますと、公立保育園園児一人あたりの税金投入額は約180万円、私立保育園はその半分くらい。船橋市は公立幼稚園がありませんから私立幼稚園だけです。その私立幼稚園は5,6万円といわれています。おかしいでしよう。将来の日本のことを考えたら少子化傾向では困るのに、出生率の低い女性の方の子どものためにより多くの税金が使われている現実。多く税金を払っているんだから当然って言われるかもしれません。そういう考え方が蔓延してきているから尚更おかしいのです。

 

 どうするか?

 これは、もう前から議会で言ってきていますが、公立保育園を民営化することです。どういうことかというと、公立保育園の保育士、給食調理員などはすべて市の職員です。この人件費が馬鹿になりません。具体的数字を示すのはさけますが、民間企業にお勤めの方。しかも、上場企業にお勤めの方でもびっくりする内容だと思います。年間賃金はもとより退職金等を含めたものとお考え下さい。

 

 本当なら民間企業並にリストラだ~って言って、ガンガンいくべきですが、そこはお役人様。きっちり身分が守られています。ですから、退職不補充といって、定年退職者や自己都合退職者の補充をしないで臨時職員等でやっていけばよいのです。そうして、一回分の保育士が足りなくなった園を、私立保育園に運営委託すればよいのです。そうすれば、その園の運営経費はぐっと下がるのです。

 

 すでに、小学校給食で、同様のやり方で給食調理業務の民間委託が始まり、大成功しています。導入時は、労働組合を抱えている政党が保護者をうまく誘導して反対運動をしていましたが、労働組合員の組織弱体化を恐れてのことだったらしく、当時主張していた心配事も結局はなく、子供たちが喜んで給食を食べているのが現状です。

 保育園の公設民営化もたぶん、労働組合員とそれらを抱える政党が反対するでしょうけど、より効率的な財政運営を行うことに反対するのでしょうか。市民の皆さんからいただいた税金は、一円たりとも無駄にしないで効率よく、できるだけ公平に公共サービスとして分配されるべきだと思います。

 

 学校給食で効率化をばかり、更に保育園で効率化をはかるとなると、これらで節約できた予算はなるべく子育てに向けたいものです。子育て関係で節約できたものは、子育て関係へと考えます。これらの部分を乳幼児医療費無料化の原資にしても良いのではと思います。

 

 小学校、中学校は義務教育のため市独自の施策ができるかどうかは難しいところがあります。しかし、人口急増で校舎建設が大変だった時期に建設された校舎がほとんどです。どこの小学校、中学校へ行っても画一的なデザイン。これではいけません。昨年、広島県の小学校を視察しました。木造の校舎で、屋上に庭園。自然を大切に、そして自然にふれあうような校舎の設計でした。暖かいんですね、木を使っていると。鉄筋コンクリートの校舎は、耐久性や国の補助金の関係で簡単には建て替えが不可能かもしれませんが、考えるときに来たような気がします。また、九州に公立の中高一貫教育校を視察に行きましたが、これもすばらしいものでした。高校進学率が百パーセント近くなってきた昨今、船橋市にも数校あっても良いのではと思います。

 

 中高一貫教育の良さは、私立学校で実証済みだと思います。更には、幼小連携。幼稚園と小学校の連携です。保育園は教育機関ではありませんが、幼稚園は教育機関です。幼稚園と小学校が連携して、交流を増やしていくべきだと思います。前述のように幼稚園児は、兄弟姉妹のいる子どもが多いと思いますが、小学校では一人っ子も多いようです。年下の子と接し方のわからない子どもが増えていると言うことです。同時に年上の子との接し方もわからない子どもも多いと思います。それらを解消するために、教育的観点から、双方の先生方がよりよい研究を進め、人付き合いのできる子どもを育ててほしいものです。