武器としての情報公開 ─権力の「手の内」を見抜く 日下部 聡 著 ちくま新書を読み終えました。

 

 

 

 

 修論の参考にと購入していたのですが、時間に迫られ、一部読んだだけで、止まっていました。

 

 これ、絶対にオススメです。毎日新聞の記者さんなんですが、連載でずっと記事を書いていましたし、失礼ながら最近の毎日の記者さんとは思えないほど、しっかりした記事でしたし、私ごときが論評するのは僭越すぎるくらいですが、ものすごく深いところまでの知識や実戦に基づくもので素晴らしい限りです。

 

 一つは、毎日新聞はすべて署名記事ですから、ぜひ、日下部記者の記事をお読みになることをお勧めしますし、特集はチームで書いたようですので、他の記者の記事も併せ読んだらよろしいかと思います。

 

 そして、この本をお読みになると情報公開、個人情報保護、の整理ができて、公文書の仕組みくらいはわかるようになると思います。

 

 私は、無謀にも論文執筆途中で、日下部記者にお目にかかってご高説を賜ったことがあるのですが、素晴らしい記者さんでした。

 

 イギリスでは「公文書は国民のもの」なんですよ。というお話を聞いた時に、感動的で、一気に話にのめり込んでいきました。

 

 行政機関の保有する情報の公開に関する法律

 (目的)

 第一条 この法律は、国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利につき定めること等により、行政機関の保有する情報の一層の公開を図り、もって政府の有するその諸活動を国民に説明する責務が全うされるようにするとともに、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資することを目的とする。

 

 となっていて、なんとなく日本国政府は違いますね。

 

 この本を読んでいくとわかりますが、他の国々では、情報自由法と訳したほうが良いだろうと思われる国が多いようです。

 

 また、公務員が業務をこなしていく上での意識とでもいうのでしょうか、こころがまえのような記述も多く、私は旧来の日本の業務システムの中での「文書管理」の思想は終わりにして、脱皮すべく努力をすべきだと思いますね。

 

 そして、私の論文でも書いた、議会が議決責任を全うするための公文書管理手法を確立していくべきだと強く思いました。

 

 公文書管理を行う地方公務員諸氏には一度は目を通しておくべき1冊であるとお勧めしておきます。