国指定史跡になるかどうかは、文化庁の諮問機関である国の文化審議会の答申を受け、文化庁が判断することになるが、先ほども述べたとおり、これまでの5地点の調査及び昨年度の東半分(約2万㎡)の調査成果から、「日本列島全体でみても、希少な1万年前の大規模集落である」と国・県・有識者から評価されているそうです。

 

 また、現在、市は国と県からは、今回の国指定に向けた学術調査に対して指導や助言に加え、調査内容のヒアリングを受けたうえで補助金を受けている。こうしたことからも、指定範囲内の地権者の同意を得るという前提はあるが、国史跡となる可能性はきわめて高いと考えられる。とのことです。

 

 本遺跡は東部から開発が迫っているため、まず「重要な遺跡を開発から守り保存すること」を第1段階の目標として、平成29年度から31年度まで3ヶ年で国・県・調査検討委員会の指導を仰ぎながら発掘調査をし、遺跡の構造や範囲を明らかにする予定としている。

 

 調査成果に基づき、国・県に国史跡指定の範囲を確認しながら、その範囲の地権者の同意を得る交渉を今後行うこととなり、4年目となる平成32年度には、総括報告書を作成して国に提出し、地権者の同意を得て国史跡指定の申請をすることになる。最短でいけば、5年目(平成33年度中)に国の文化審議会から答申を受ける予定である。市はこのような保存の事業を進めながら、同時に調査成果を生かした史跡の整備・活用について、調査検討委員会から助言を受けて、整備構想を検討していくことを考えている。とのことであります。

 

 現在は、これから長い年月を要する将来構想の中の「開発から遺跡を守り保存するために国史跡指定を目指す」という段階である。国史跡は地権者の同意を得られれば、土地買収をせずとも指定を受けることが可能である。国史跡に同意すると土地の大きな現状変更はできないが、耕作や日常生活に必要な維持・管理は続けられる。とのことです。

 

 現在、約20名の畑の地権者と約40戸の住宅があることから、市にはこうした地権者の意向や意思を尊重しながら、丁寧に同意交渉を進めてもらいたいと思います。

 

 先ほど述べたとおり、国・県・有識者から「国指定の価値がある遺跡である」と評価されていることに加え、3ヶ年の確認調査において市は、国から相当額の補助金を受けることになります。また、口頭ではありますが国の調査官から「国史跡を目指す価値がある遺跡、出土遺物は重要文化財に指定する価値がある」という評価を受けており、国史跡になる前に史跡の一部となるだろう土地を諸般の事情により購入することは苦渋のな判断だと考えます。

 

 本来であれば、国費の補助、先行取得の工夫など国指定前のやり方はそれなりに存在するものだと思います。

 

 また事業計画総予算61億円ありきではなく、市は市民のために何を優先すべきかを常に慎重に考えつつ事業の遂行をするよう求めておきます。

 

 今回の件でも明らかなように、今後は、建設局の真摯で愚直で不器用なくらいまっすぐな職務遂行姿勢に、文化財保護を理由に傲慢強引な介入、市長の忖度参酌など、市長を慮った、法解釈などすることなく、業務を遂行していただきたいと思います。あなた方の上司は市民であって市長ではないことを申し添えて原案賛成の討論といたします。