さて、ちょっと時間がかかりましたが、市立船橋高校設置にかかるまでの書類が出てきました。順次アップします。

 

 まずはこれです。なるべく原文のままにしていますが、一部旧字体でパソコンにて再現できないものもあります。

 

陳情書

 船橋市が東京都と一連の市街地により隣接する衛生都市として各般に亘り一大飛躍の時に際し市の行財政に於いても教育行政に於いても非常な御辛苦を重ねられ市政の発展とわれわれ住民の福祉増進のため日夜御奮闘下さっております事衷心より感謝申し上げます。

 然し併らこれと同時に私共中学校の父兄にとりましては遂年の人口の増加と高校進学志望者の激増のためその大半の第一志望校公立高等学校への入学が甚だ狭き門の現状を呈してゐることにつきましては憂慮に堪えないものがあります。殊に当市に於きましては県内でも他校区に比較して最も困難であります当路者に於かれましても御承知の事と存じます。

 尚之が障壁のため義務教育に専念致さねばならぬ中学校教育が本来の道から外れている現状で著しくゆがめられる事が余儀なくされてゐる生徒父兄教師の心労苦痛は年々増加する許りであります。

 人口十二万擁する船橋市に県立一校では正に戦前の態勢で中卒者の五割以上が進学する現状では当然甚しく不備と言はざるを得ないと存じます。

 市といたしましても市政並びに教育施設に万全の措置を講ぜられ御配慮の事ではございますが更に次代の船橋市を担う第二の国民養成のため昭和三十二年度に備え市立高等学校を新設下さる様学区民PTAといたしまして強く要望する次第でございます。

 何とぞ大船橋市発展の遠大なる構想の上に立たれて、われわれの真情を御考慮下さる様切に御願い申し上げます。

昭和三十一年度六月二十五日

市立葛飾中学校PTA

会長 峯川佐吉

外四名連署