例の違法問題についてですが、「そもそもの発端となる条例改正で通してしまったのだから議会にも責任がある。」という説を唱える議員がいます。

 

 アホですね。

 

 私は、一度委員会か何かで言ったような気がしますが、市長が間違えた議案は、提出をしないという大前提のもと、そこを100パーセント信頼した上で議案の審査をします。

 

 その信頼を損ない、裏切った行為は、議員が自虐的に自分たちにも責任があるなどと言わしめる事案ではありません。

 

 地方自治の法律の体系は、地方自治法を中心として、公職選挙法、地方公務員法、地方財政法、地方税法、地方交付税法、地方公共団体の財政の健全化に関する法律、住民基本台帳法等の地方公共団体に関する基本的一般的な事項を規律する法律の外、特殊の行政部門を規律するものとしての地方公営企業法、地方教育行政の組織及び運営に関する法律及び教育公務員特例法、警察法、消防法及び消防組織法等を基礎として組み立てられ、農業委員会等に関する法律、漁業法、労働組合法等があり、さらに行政不服審査法、行政事件訴訟法、行政手続法、行政代執行法、個人情報の保護に関する法律、国家賠償法等地方公共団体の組織及び運営に関係する法律は枚挙に遑がないのです。

 

 弁護士の先生や特定法令に精通した士業の先生方が数多くいる議会などは、市議会のレベルではあり得ず、ましてや、国会ではありませんからインナーの重鎮議員がいるわけでも無いのですから、議員の法令を見極める力など期待はされていないと思いますし、期待をされてはたまりません。

 

 さらに、地方自治の法源としては、成文法として、憲法、法律、命令、地方公共団体の自治立法である条例、規則等があり、不文法として、判例法、慣習法もまた地方自治の法源と言えます。

 

 もっと言えば、成文法として条約が直接地方自治の法源となることもあり、不文法として条理も補完的法源として挙げられるのではないかと思います。

 

 それほどまでに地方自治を取り巻く法令関係は幅広く、市長をはじめとして、その全てを熟知していて、諳んずることなどできている職員はおりません。

 

 議会もしかり。くどいようですが、だからこそ担当がしっかりと把握をし、熟知をし、条例改正等が遺漏なきよう体制を整え、日々の業務を行うものだと思います。

 

 そして、私たち議会はそこの部分へ全幅の信頼をおいて、「間違いはない」前提での審査を行います。

 

 仮に、自虐議員の言う通りだとしたら、議案審査の時間とその資質がない議会の現実を踏まえた時には、専門的に審査に協力していただく外部の方々を見つけ、遺漏なき審査をしなければなりません。

 

 そんな非効率的な話はあり得ないと思います。

 

 何のための公務員なのかわからなくなってしまいます。

 

 地方公務員法です。

 

 (服務の根本基準)

 第30条 すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。

 (法令等及び上司の職務上の命令に従う義務)

 第32条 職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。

 (信用失墜行為の禁止)

 第33条 職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。

 

 この辺の条文をどう解釈したら、ああ言う行動をとれるのでしょうかね?

 

 全く理解できません。