頭の体操をするために、地方議会実務講座の読み込みをしました。

 

 

 

 

 引用をさせていただきながら、考え方をまとめたいと思います。

 

 二 職員定数と任免権

 1 議会事務局には事務局長、書記その他の職員を置き、議会事務局を置かない市町村議会では書記長、書記その他の職員を置くが、町村では書記長を置かないことができる(自治法138Ⅲ・Ⅳ)。事務局長以下の職員定数は臨時職員を除き条例で定める(自治法138 Ⅵ)。定め方としては①議会事務局職員だけを条例で定める(○○議会事務局職員定数条例)、②執行機関の職員定数とともに各機関ごとの定数を条例で定めるのいずれでもよい(行実昭和26年3月19日)。

 

 ここまでは理解できています。

 

 2 議長が事務局長、書記長、書記その他の職員の任免権を有する(自治法138 Ⅴ)。議長が例えば海外出張、病気等の事故に該当する時、職員の任免権は副議長が行使する。副議長は議長の職務全般を代行できるので、副議長名で任免できる(行実昭和39年9月18日)。

 

 ちょっとねえ~、ここが意外と言うか文字で書かれれば確かにそうだがって感じですね。これは、あまり好ましいことではないと思います。「政治的人事」などあってはならないことですが、究極的には濫用が想定できるだけにあまりスッキリする話ではないですね。

 

 副議長の職務の定義ってあったっけ?ありました。自治法に。その割には、船橋市議会では副議長の職務ってそう言う扱いになっていないんじゃないかなあ~。まあ、いいけど。

 

 書記の任命形式は「書記を命ずる」でよい(行実昭和25年9月4日)。議会事務局職員に執行機関の一般職員を兼務させることは、「議会の事務」も地方公務員法第35条の「当該地方公共団体がなすべき責を有する職務」に含まれるので、法的には問題ない(行実昭和29年12月20日・昭和34年7月9日)。ただし当該団体の副知事、副市町村長は常勤職員との兼務を禁止されている(自治法141・166)ので、議会事務局の常勤職員と兼務することはできない。「書記を非常勤の職員として取り扱う限り兼務してさしつかえない」との行政実例がある(昭和29年12月20日)が、非常勤とはいえ議会事務局の書記に執行機関の責任ある地位の者を兼務させることは適当でない。執行機関の職員を議会事務局の書記と兼務させる時は、議長が兼務の辞令を交付する(行実昭和27年3月13日)。

 

 さて、私が疑義を抱いている件がここに記述されています。

 

 「執行機関の職員を議会事務局の書記と兼務させる時は、議長が兼務の辞令を交付する(行実昭和27年3月13日)。」行政実例を根拠に書かれていますが、そうなのか?って思っています。

 

 地方公務員法です。

 

(職務に専念する義務)

 第三五条 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

 

以前ブログでも書いたかな?と記憶が曖昧ですが、地方自治法を見てみましょう。

 

 第五款 他の執行機関との関係

 第百八十条の二 普通地方公共団体の長は、その権限に属する事務の一部を、当該普通地方公共団体の委員会又は委員と協議して、普通地方公共団体の委員会、委員会の委員長(教育委員会にあつては、教育長)、委員若しくはこれらの執行機関の事務を補助する職員若しくはこれらの執行機関の管理に属する機関の職員に委任し、又はこれらの執行機関の事務を補助する職員若しくはこれらの執行機関の管理に属する機関の職員をして補助執行させることができる。ただし、政令で定める普通地方公共団体の委員会又は委員については、この限りでない。

 

 第百八十条の三 普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の委員会又は委員と協議して、その補助機関である職員を、当該執行機関の事務を補助する職員若しくはこれらの執行機関の管理に属する機関の職員と兼ねさせ、若しくは当該執行機関の事務を補助する職員若しくはこれらの執行機関の管理に属する機関の職員に充て、又は当該執行機関の事務に従事させることができる。

 

 第百八十条の六 普通地方公共団体の委員会又は委員は、左に掲げる権限を有しない。但し、法律に特別の定があるものは、この限りでない。

一 普通地方公共団体の予算を調製し、及びこれを執行すること。

二 普通地方公共団体の議会の議決を経べき事件につきその議案を提出すること。

三 地方税を賦課徴収し、分担金若しくは加入金を徴収し、又は過料を科すること。

四 普通地方公共団体の決算を議会の認定に付すること。

 

 第百八十条の七 普通地方公共団体の委員会又は委員は、その権限に属する事務の一部を、当該普通地方公共団体の長と協議して、普通地方公共団体の長の補助機関である職員若しくはその管理に属する支庁若しくは地方事務所、支所若しくは出張所、第二百二条の四第二項に規定する地域自治区の事務所、第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市の区若しくは総合区の事務所若しくはその出張所、保健所その他の行政機関の長に委任し、若しくは普通地方公共団体の長の補助機関である職員若しくはその管理に属する行政機関に属する職員をして補助執行させ、又は専門委員に委託して必要な事項を調査させることができる。ただし、政令で定める事務については、この限りではない。

 

 実はこの地方自治法の条文には不備があり、明らかに執行機関ではない「議会」の職員は、条文には該当しないのです。

 

 で、実際は運用で行なっているということになり、本来は条文の整理が必要だと思います。

 

 そして、この条文から読み取ることができるのは、議会の職員というのは他の執行機関の職員とは一線を引くべきであるということではないか。ということです。

 

 3 事務局長は補助職員のトップであり重要な地位にあるので、条例で議会の同意により選任することを規定することも考えられるが、任免権は議長に専属している(自治法138 Ⅴ)ので、そのような同意を条例に規定することはできない(行実昭和25年7月6日・昭和25年9月19日)。

 

 これはまさにその通り。

 

 4 地方分権の推進により地方議会の監視力を強化し議案の提案を活発にするためには、会派や議員を補佐する議会事務局の職員数を多くする必要がある。この補佐力が低いと、二元代表制を実質的に担保することができない。議会事務局の職員数を増加しない限り議会力を強化することにならないので、職員増を事務局長任せにするのでなく、議長、副議長、議員、会派代表者などは、この点にもっと関心を持つ必要がある。また職員の短期交代の弊害についても留意する必要がある。

 

 その通りだと思います。

 

 三 議長、副議長が欠員の時の事務局長の権限

 1 議員の任期中に議長、副議長が欠員になった時は、速やかに後任者を選挙する必要があるが、一般選挙の場合、前の議員の任期満了から議長選挙までの間(議会解散の場合は解散から議長選挙までの間)は議長及び副議長が欠員となる。このため議会は活動できず、また職員の任免を行うことができない。事務局長は補助職員であるから、欠員の間、①議長の権限を行使できない、②議長の権限を事務局長に委任して行使させることは、法令に規定がある場合を除きできないものとされている。

 

 これもその通りであると思います。

 

 2 議長、副議長が欠員中に必要性が出るのは事務局職員の人事発令である。これについては地方公務員法第6条第2項の規定(任命権者は…権限の一部を補助機関たる上級の地方公務員に委任することができる)に基づき、議長の権限を事務局長に委任することが認められている(行実昭和26年3月19日)ので、議長が在職中に権限の委任を決定すればよい。委任の方法は、委任年月日、委任事項を明確にする必要があることから、口頭によることは適当でなく文書によるべきである。具体的には議長決裁の形で明確にしておく。事務局長に権限が委任された場合、議会事務局の一般職員については事務局長の権限により決定することができる。これに対し事務局長自身の任免については委任の対象にならないので、新議員で構成の議会で選挙される議長の誕生を待つほかない。

 

 これはどうかなあ~と思いますね。これも職権の濫用が想定できてしまいます。この部分を考えると、新議員任期が始まる日に臨時会を行い議会人事を行うのが筋論だと思いますね。

 

 四 特別職の秘書

 1 地方議会の議長には議長との信任関係を重視して特別職の秘書を置くことができる(地公法3Ⅲ④)。副議長や議員には認められない。議会事務局職員定数条例には一般職と特別職の両方を規定するので、議長秘書は事務局職員定数条例に規定する(行実昭和26年7月13日)。特別職の秘書は、議長の秘書であることや人数を条例で指定する。辞令は「議長秘書を令ずる」でよい(行実昭和26年3月13日)とされているが、「特別職秘書指定条例に基づく任用であることを辞令に明記することがより適当であろう」との見解がある(鹿見島重治「逐条地方公務員法」)。

 2 特別職の秘書は政治的行為を制限されないので、一般職員を特別職の秘書とするためには一般職を退職する必要がある(行実昭和26年3月13日)。

 3 特別職の秘書は議長の退職に伴い、当然に退職する必要はない(行実昭和26年3月30日)が、地方公務員法上の身分保障がないので、次の議長は労働基準法の解雇制限規定に反しない限り、いつでも解雇することができる。

 

 これは船橋市は置くことになっていませんが、おけることにすべきでしょうね。市長の方に任用できることは規定されているんでしょうかね?これは平時に、市長、議長ともに決めておいた方が本当は良いですね。