ある偉い方と雑談をしていて、私が腐ったリンゴはさっさと取り除かないといけないという趣旨のこと言ったときのことです。

 

 いやいや、長谷川くん、リンゴはそのものだけが腐って周りは腐らないよ。箱全体に広がっていくのはみかんだよ。

 

 と言われちゃったときには、こいつは愚か者だな。と思いました。そして目を白黒させて、二の句が継げなかったって感じです。

 

 ご参考までに。(愚か者について書いてあります。)

 

 組織内の「腐ったリンゴ」を取り除きたいのですが

(上をクリックしてください。)

 

 PRESIDENT Onlineからです。

 

 組織の中の愚か者を上司が放置したり、甘やかしたり、大目に見たりすることほど、企業に害をなすことはありません。そうした甘やかしは組織の信頼や士気を損ないます。信頼と士気がなければ、競争力の要である協働や迅速な対応は当然難しくなります。

 

 しかし、「腐ったリンゴ」を取り除く方法をお話しする前に、愚か者とはどんな人を言うのかを明確にしておきましょう。企業の社員は、2つの基準から、4つのタイプに分けられます。どれくらい業績をあげているか、つまり数値目標の達成具合と、組織の価値をどれくらい実践しているか、です。

 

 「価値」というと漠然とした言葉に聞こえますが、よりわかりやすくいえば、企業が社員に望んでいる「行動」です。企業が掲げる価値のリストに、たいてい誠実さや公正さといった美徳が含まれているのはそのためです。戦略目標にリンクさせた価値リストとしては、「グローバルに考え、グローバルに行動する」「チームワークを尊ぶ」「スピードを重視しすぎるぐらい重視する」「緊迫感を持って問題に取り組む」などもあるでしょう。

 

 社員の4つのタイプに話を戻します。

 第1のタイプは、業績の面でも価値の面でもすばらしい社員です。これらの勝者については、経営陣の仕事は簡単です。養成し、報奨を与え、前進や向上を後押しすればよいのです。第2のタイプは、すばらしい成果もすばらしい行動も示さない社員です。このタイプは辞めさせればよい。

 

 3番目のタイプの社員は、成果は貧弱でも、会社が望むすべての行動を実践しています。これらの真面目な社員には、2度目、3度目のチャンスを与えるべきです。

 

 そう、愚か者とは、第4のタイプの社員です。数字は出すけれど、価値を実践していない社員です。この手の社員はほとんどすべての組織のすべての階層にいます。彼らは卑劣だったり、秘密主義だったり、傲慢だったりします。たいてい上にはへつらい、下には威張り散らします。冷酷な一匹狼もいれば、気分屋で周囲の人々を一種の恐怖で縛りつけている者もいます。

 

 それなのに、第4のタイプの社員は概して無傷のままです。上司から叱責されても、彼らは変わりません。痛い思いはしていないからです。実際、私たちの多くが、高い成果を求めるあまり部下の有害な行動に目をつむるという誤りを、長い職業人生のどこかで犯しているはずです。

 

 それをやってはいけません。

 愚か者は組織に貢献する以上に害をなすということを、企業のリーダーは確信しなくてはなりません。愚か者は大きな成果はあげますが、彼らが組織の文化や総合的な競争力に及ぼす害のほうがはるかに大きいのです。

 

 このような考え方を受け入れれば、愚か者を排除するのはかなり簡単です。

 

 リーダーは、社内のすべての人間に、会社が重視している価値を周知徹底させなければなりません。それらの価値を自ら実践し、他の人々が実践していたら惜しみない賞賛と報奨を与え、それらの価値についてうんざりするほどしつこく語り続けなければなりません。

組織から愚か者をなくす真の決め手は、現在いる愚か者を辞めさせることです。そして、その理由を全社員に明らかにすることです。価値を守らないからクビにしたのに、「ジョーは家族と過ごす時間を増やすために退職した」というようなつくり話でごまかすのはまったくの誤りです。

 

 「ジョーはグローバルに考えなかったから、辞めなければならなかった」「ジョーは『採用にあたっては男女の別や人種にとらわれない』という価値を守らなかったから、退職させられた」と、伝えなければなりません。愚か者を辞めさせるたびに、それを必ず教育の機会にしてください。そうすれば社員は、愚かな行動はきわめて高くつくということを学ぶでしょう。

 

 とはいえ、どんな組織も愚か者を完全に取り除くことはできません。業績があまりにもすばらしいために、あるいは望ましくない行動があまりにもさりげないために、チェックをすり抜ける者が必ずいるでしょう。

 

 しかし、腐ったリンゴを取り除く努力はやめてはなりません。彼らは企業には腐敗そのものですから。