定期的に参加している勉強会に行ってきました。

 

 ちょっと衝撃的な話がいくつかありました。

 

 区画整理事業の事例研究の際、「見直しガイドライン」を策定している自治体の例が示されました。

 

 長崎市の「土地区画整理事業の見直しガイドライン」(左をクリックしてください。)です。

 

 これは羽村市の参加議員からの、問題提起によるものでした。「市長が推進する『実現の見通しのつかない区画整理事業』をどうやって止めさせるか」というものに対する、回答に導くために例として示されたものです。

 

 その前に、議員側からの説明は次のようなものでした。

 

 平成15年に事業計画を決定・推進している既成市街地74haの区画整理事業(当初事業費350億円)は、住民(地権者:約1,000人)の反対(400人)や事業の進め方の拙さもあり、14年間を経過した現在もほとんど進んでいない。最近になって、今後30年間で370億円をかけて進める計画を立てたが、国や東京都の指導もあって、10年ごとに進捗を見ながら事業を進めるとしている。

 財政面の不安、住民の理解を得ていないことなどから、計画の縮小見直しを提言しているが、市長は聞く耳をもたない。このままでは、まちが壊れてしまうという危機感もあり、議会にも何とかしなければという機運は生じている。市長の任期は4年、それまでこのままでいいものか?

 ということです。

 

 先生から示されたものが次のようなものでした。

 

本問題に関し、議会・行政・住民の主体に分けてまず分析。

 1.議会として条件整備

 (1)長期間実現しない、又は停滞している事業の統一継続ルールが不存在。

  ①5~10年事業が停滞あるいは不実施の場合無条件にゼロベースで再検討。

   この検討を通じて、時間軸以外のゴーイングコンサーン条件を明確化。

  ②政策効果の帰着に長期を要する場合は、計画見直し等より慎重に再検討。総合計画等他の計画との整合性の確認。

  ③①②を行政評価に正式に組み込むか、条例として整備する。

 

 (2)予算審議資料の充実

  ①予算審議の参考資料として今後10~15年間のライフサイクルコスト添付の義務化。参考資料は議決対象としないが、予算書とは一体で取り扱う。

  ②サンクコスト(過去に投入した費用)だけに囚われない議会議論の展開。

  ③議員間議論の展開。

 2.行政における予算情報の充実

  ①「1―(2)―①」を実現するため、財務会計情報の充実を求める。

  ②30年間で370億円は最低限のコストであり、間接コスト、機会コスト等議会として意思決定をする情報が不足。

  ③リスクヘの認識と洗い出し、それに基づくマネジメントの未整備。

 3.住民の政策議論参加

  ①住民監査請求等の活用。

  ②議会主導の検討審議会の設置等。

 (参考)「長崎市土地整備事業見直しガイドライン」

 あ~、うちもやらなきゃいけないことあるなあ~と思ったものでした。