さて前回に引き続き広報委員会についてです。

 

 現在、このときの「常任委員会化」という事案を理解できていない議員が議長を始めとして多くいます。

 

 議長はこの広報委員会に関してはやたらと苦情を言いつづけてきましたが、全く理解できないようです。

 

 そもそもご自身が委員長を務めたのは「広報編集委員長」であって、各会派から1名を選出する、任意の会議体であって、簡単に言うと正式なものではありません。従って、議長は広報委員長ではありませんでした。あくまでも広報編集委員長でした。

 

 勝手に自分で権限があると思い込んでいたようですが、広報編集員会は言ってみれば、1年生議員の勉強の場です。

 

 それを何を勘違いしたかです。

 

 さらに現委員長もそうだったようです。

 

 現委員長が広報編集委員長だったときに、一般質問の記事掲載に質問者の氏名を記載するように決定しました。

 

 このことによって、「売名行為」としての一般質問者が大幅に増加しました。

 

 それまで、我々保守系の先輩たちが、「売名行為をする場ではない。」「質問の内容と答弁内容がわかれば良い」としてきたことを誰が質問したかを掲載すべきだという革新系の会派の主張を十分な議論やシミュレーションを経ずに決定した結果として、なんの条件整備もせず、「ただ単に質問をすれば名前が掲載される。」という安易な結論に導いたがために、現在では一般質問を行う者が、毎回35名前後になっています。

 

 そのことによって、議会日程が増加し、船橋市全体の市政に関することではなく、地元の小さな解決可能な問題さえも、その論点が見出せない組み立てで質問されます。もっと言えば「要望」なるものも横行してどうにもアホみたいな議会になっています。

 

 そういうレベルの一般質問に50名全員の議員と、100名を超える執行機関職員が「付き合わされ」ます。(事前の準備も含めべらぼうな無駄使いです。延べ人数にしたら千人近いんじゃないんですか?)

 

船橋市会議規則を見てみましょう。

 

(一般質問)

第62条 議員は、市の一般事務について、議長の許可を得て質問することができる。

2 質問者は、簡明な主意書を作り、議長の定めた期間内にこれを議長に提出しなければならない。

 

 とルールがあるだけです。簡単にいうと地方自治法の定めもない、法に依拠していないルールなのです。

 

 強いて言えば、議会の監視権に基づいて規定したものです。

 

 ですから、会議規則中の「市の一般事務」の意味するところは、限定的であって、現在のなんでも質問をして良いという誤った認識が蔓延していること自体も議会の権威に関わることでもあるのです。

 

 その意味がわからない議員はまずは、一般質問をしないところから始めるべきでしょう。

 

 そして勉強すべきです。自分がまずは何をやるべきなのか?を。

 

 地方自治法第96条をよくよく、丁寧に繰り返し読んでこれがどういう意味かを十分に理解すべきでしょう。

 

第九十六条  普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。

一  条例を設け又は改廃すること。

二  予算を定めること。

三  決算を認定すること。

四  法律又はこれに基づく政令に規定するものを除くほか、地方税の賦課徴収又は分担金、使用料、加入金若しくは手数料の徴収に関すること。

五  その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める契約を締結すること。

六  条例で定める場合を除くほか、財産を交換し、出資の目的とし、若しくは支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けること。

七  不動産を信託すること。

八  前二号に定めるものを除くほか、その種類及び金額について政令で定める基準に従い条例で定める財産の取得又は処分をすること。

九  負担付きの寄附又は贈与を受けること。

十  法律若しくはこれに基づく政令又は条例に特別の定めがある場合を除くほか、権利を放棄すること。

十一  条例で定める重要な公の施設につき条例で定める長期かつ独占的な利用をさせること。

十二  普通地方公共団体がその当事者である審査請求その他の不服申立て、訴えの提起(普通地方公共団体の行政庁の処分又は裁決(行政事件訴訟法第三条第二項 に規定する処分又は同条第三項 に規定する裁決をいう。以下この号、第百五条の二、第百九十二条及び第百九十九条の三第三項において同じ。)に係る同法第十一条第一項 (同法第三十八条第一項 (同法第四十三条第二項 において準用する場合を含む。)又は同法第四十三条第一項 において準用する場合を含む。)の規定による普通地方公共団体を被告とする訴訟(以下この号、第百五条の二、第百九十二条及び第百九十九条の三第三項において「普通地方公共団体を被告とする訴訟」という。)に係るものを除く。)、和解(普通地方公共団体の行政庁の処分又は裁決に係る普通地方公共団体を被告とする訴訟に係るものを除く。)、あつせん、調停及び仲裁に関すること。

十三  法律上その義務に属する損害賠償の額を定めること。

十四  普通地方公共団体の区域内の公共的団体等の活動の総合調整に関すること。

十五  その他法律又はこれに基づく政令(これらに基づく条例を含む。)により議会の権限に属する事項

○2  前項に定めるものを除くほか、普通地方公共団体は、条例で普通地方公共団体に関する事件(法定受託事務に係るものにあつては、国の安全に関することその他の事由により議会の議決すべきものとすることが適当でないものとして政令で定めるものを除く。)につき議会の議決すべきものを定めることができる。

 

 わかりましたか?

 

 なんどもこのブログでくどい程に書いていますが、議員の最も重要な務めは、ここです。

 

 この地方自治法第96条に定めてある最初の条文。

 

 「普通地方公共団体の議会は、次に掲げる事件を議決しなければならない。」

 

 「議決しなければならない」のです。市民の代表として簡単にいうと○か×かを判断、決定し、態度として表さなければなりません。

 

 62万人の人口を擁する都市の船橋市において、たった50人にしか与えられていない権利の行使です。

 

 そのためには、十分な時間を使って日頃から市政全般に関して調査をし、議案が出てきたときにすぐに判断のための調査が開始できるようにしておくことです。

 

 それがどういうことかというと、一般質問をすることではなく、一つ一つの「市の一般事務」に関しては、担当の課長の席へ行き、どういうことなのかを多方面、多角的に話を聞きながら疑問点を解消しておくことです。

 

 私など、議員を22年間務めていますが、未だにわからないことだらけです。

 

 先般も、「水道料金の謎」を調査したりしましたが、「子育て支援の謎」、「健康政策の謎」「保健所行政の謎」「道路行政の謎」「道徳教育の謎」「副市長の謎」とかまあ、謎だらけの船橋市役所です。

 

 もっとひどいのは、「ガバナンス欠如の謎」が最近のホットな「謎」ですね。

 

 ということで、私くらいの謎を見出したときに初めて一般質問をしたら良いでしょう。