数回ブログでも書かせていただきましたが、東京都の問題。この報道ぶりや知事の手法に嫌気がさして、地方自治の将来はどうなってしまうんだろう?と思うと筆が進まずこんなにも間が空いてしまいました。申し訳ございません。

 

 と言っても、結構出かけていたりもありましてね、週末はちょっと馬力アップで行こうかなと。

 

 さ~て、そろそろ小池氏に逆風が吹き始めました。週刊誌各誌も書き始めたようですね。色々なネタで。

 

 そんな中、床屋さんで見た週刊ポストが次の通りです。記事全文引用させていただきます。

 

週刊ポスト 10月28日号

 

 

 

 テレビをつければワイドショーも報道番組も連日、“小池劇場”ばかりを報じている。新聞を開いても「豊洲」の見出しが躍らない日はない。だが、それらの一つひとつを検証してみると、かなり“いい加減”なものが混じっている実態が見えてきた。

「内田の居眠りを撮れ!」

 民放キー局デスクは、都政関係のネタが、番組から外せない理由をこう語る。

 「いま、視聴者は“小池劇場”しか見てくれない。国会では与野党論戦の真っ最中ですが、視聴率データを見ると番組の内容が豊洲問題から永田町に切り替わった途端、他局がやっている小池関連のトピックにチャンネルを替えられているのがわかる。だからいかに都政や豊洲問題で番組を引っ張るかで頭を絞っている」

 9月28日に東京都議会で小池百合子・都知事が所信表明演説を行なった際は、民放キー局が競い合うように全国ネットで生中継するお祭り騒ぎ。フジテレピの「直撃LIVEグッディ!」は知事の演説中に政敵で、“都議会のドン”と呼ばれる内田茂・都議が居眠りをしていたかどうかを様々な角度から撮った写真で“検証”するのに10分近くを費やしていた。

 過熱する報道合戦によって、築地市場の豊洲移転問題に対する国民の理解が深まるなら結構なことだろう。

 ところが、各局は問題だと煽るばかりで不正確な情報を流し、訂正に追い込ま

れたケースも少なくない。これでは視聴者は混乱する一方だ。

 そこで本誌は新聞・テレビによる“間違いだらけの豊洲報道”についてまとめてみた。

 

◆豊洲市場の建物の柱が傾いている→真っすぐ立っていました

 

 豊洲報道で先頭を突っ走っているのがフジテレピ。次々に“スクープ”を放っている。

 10月2日放送の「新報道2001』では、民進党の渡部恵子・中央区議の提供写真をもとに、豊洲新市場の加エパッケージ棟4階の柱1本が傾いている疑惑を報道。番組中でコメンテーターたちが「傾いているのは確かですね」「柱に問題があるとすると、梁や床にも全体に影響があるはずです」と危険性を指摘した。

 それに対して、東京都が柱の傾きを否定し、ネットでも大炎上。同番組が柱の

傾きを強調するために写真を回転させたのではないかという疑惑まで指摘されると、翌週(9日)の番組内でスマホのカメラレンズが広角であるために、傾いているように見える写真になっていた可能性を認め、須田哲夫キャスターが「一連の報道により、誤解を招いたことを真摯に受け止めます」と訂正した。

 

◆豊洲はターレ(水産物運搬トラック)が角を曲がれない→余裕で曲がれました

 

 テレビ朝日も負けてはいない。『羽鳥慎一モーニングショー』が力を入れたのが豊洲の新市場の設計問題。9月21日の放送では水産物を運搬するターレが市場内の角を曲がれないという識者の指摘を放送している。

 一連の報道を現地で検証した小池支特派の音喜多駿・都議が語る。

 「私は豊洲の現地でフジテレビが傾いていると報じた柱を計測しましたが、真っすぐでした。また、角を曲がれないといわれたターレに実際に乗りましたが、十分曲がれる。その場で360度くるくる回れるくらい。

 訂正が出されるものはまだマシなくらいで、事実じゃない報道が多すぎる」

 

「ベンゼンが出たぞ!」

 

 視聴者の不安をことさらに煽っているのが豊洲の水質をめぐる不正確な報道だ。

 

◆地下空間の水からベンゼン検出→不検出でした

 

 豊洲新市場の「謎の地下空間」(地下ピット)とそこに溜まっている「謎の水」の問題は新聞もテレビ各局も大きく報じてきた。

 東京新聞は地下空間から採取した水の検査で〈微量のベンゼンを検出した〉と報じたが(9月24日付夕刊)、翌日朝刊で〈「不検出だった」の誤りでした〉と訂正記事を出した。

 この水については環境学者で都の専門家会議座長の平田健正氏が自ら地下ピットに入って水質をチェックし、「水道水と同じレベル。飲んでも大丈夫」と事実上の安全宣言をしたが、見出しなどで大きく取り上げられることはほとんどなかった。

 

◆地下水から「基準値以上のベンゼン検出」→排水基準は満たしています

 次にワイドショーが一斉に取り上げたのは都が行なっている豊洲の地下水のモニタリング調査だった。

 テレ朝『モーニングショー』(9月30日放送)では深刻な表情の羽鳥キャスターが「基準値を超えるベンゼンが検出されました。これは今後大きな影響が出てくると思います」とコメント。他局でも「基準値以上のベンゼン」を取り上げた。

 だが、地下水には飲料水として利用する場合の「環境基準」と、事業所からの排水に用いられる「排水基準」がある。豊洲の地下水は飲料にも、魚の洗浄や市

場内の清掃にも利用されることはない。

 テレビは、飲みもしない水が「飲料水の環境基準を上回った」ことを重大事件のように扱っているのだ。

 

◆石原慎太郎氏が調査協力拒否→書面で応じます

 

 豊洲の盛り土問題では“悪者捜し”もたけなわだ。だから“先走った悪者認定”も横行する。

 10月5日には『とくダネ!』(フジテレピ系)が都の調査に協力するといっていた石原慎太郎・元都知事を自宅前で直撃。小池知事に会うかという質問に、石原氏が「もう会いませんね。会うこともないんじゃないですか」と答えた。翌日の新聞各紙は「石原元知事、都の調査協力を拒否」(朝日新聞)などと報じた。

 しかし、石原氏は同日、「マスコミ報道に戸感っている」「書面による質問に誠意をもって答えると東京都にも申し入れている」という談話を発表した。

 

◆豊洲市場の設計会社がヒアリング拒否→実際は応じていました

 

 誤報であらぬ“嫌疑”をかけられたのが豊洲市場の設計を担当した会社。毎日新聞は盛り土問題を調査している東京都が〈建物の設計を担当した会社に直接のヒアリングの協力を得られなかった〉(9月30日付)と書いたが、実際は会社側は調査に応じており、翌日の朝刊で訂正したのだ。

 各社に一連の報道について見解を問うと、フジテレピからは番組での訂正報道と同じ回答、テレビ朝日からは〈放送したことが全てです〉という回答が返ってきた。東京新聞は「取材に関することなのでお答えできません」とし、毎日新聞は〈掲載した「訂正します」の通りです〉と回答した。

「五輪より豊洲」のワケ

 これほどまでに訂正記事が続くのは珍しい。背景にあるのは視聴率競争だけではない。

 フジテレピは舛添要一・前都知事のスキャンダル追及の先頭に立ち、小池氏が知事になると一転、今度は豊洲問題追及で小池応援報道に走っている。

 「社運を賭けてカジノ構想を推進してきたフジにとって、『東京にカジノはいらない』という舛添氏は邪魔な存在だった。そこでカジノ容認派の小池知事を応援することで頓挫しかけたお台場カジノを復活させたい

という思惑が見え見え」(元民放報道幹部)

 読売グループには築28年で老朽化が目立ってきた東京ドームに代わる巨人の本拠地問題がある。有力視されているのが築地市場の跡地(約23ヘクタール。東京ドーム5個分)への野球場建設計画だ。地元の矢田美英・中央区長は築地の跡地について「野球場やサッカー場もいい」と発言しており、スポーツ報知は今年1月、「築地市場跡地に“スタジ

アム”建設案……五輪後に再開発へ」の見出しで大手不動産会社が4万人収容の野球場(サッカー場併設)と商業施設を建設する計画を進めていることをスクープした。

 読売グループにとって、「築地スタジアム」の実現には小池知事の理解が欠かせない。

 一方、築地に本社がある朝日にすれば、目と鼻の先に読売巨人軍の本拠地ができることなど容認できないことは想像に難くない。

 「テレ朝が豊洲市場の危険性を煽っているのも、築地の移転を阻止したいという思惑があるとみればよくわかる」(同前)

 三者三様の打算が重なって、報道合戦につながっているという見方なのだ。

 漫画家でワイドショーウオッチャーとしても知られるやくみつる氏は別の視点からこう疑問を提起する。

 「多くのメディアが小池知事の勝ち馬に乗っている印象が強いが、それにしても報道が豊洲問題に偏りすぎ。本来、東京五輪の方が悪の温床で問題は大きいはずなのに、メディアは五輪の問題をなかなか正面から取り上げない」

 もっともな疑問である。しかし、朝日、読売、毎日、日経は日本オリンピック委員会に協賛金を支払う東京五輪オフィシャルパートナーだという事実がある。

 豊洲移転問題も、五輪問題も、大メディアは打算ばかりといわれても仕方がないのでは。