さてさて夏休みの時期に入っていて、役所へ行ってもこういう時に限って、お目当の職員諸氏が夏休みと言うケースが多いので、私は今年は特に、市役所を離れて充電期間に当てています。

 

 遠出をして友人・知人に会ったり、近場の友人・知人に会ったり、雑食的に勉強会に行ったりです。

 

 そんな中、何回かのシリーズで勉強をする会に参加しています。政策科学の勉強会です。

 

 先般のその3回目の勉強会があり行ってきました。「政策科学基礎講座」ということで、基礎を勉強しているのですが、今回は非常に面白かったのです。

 

 以前ブログにも書きましたが、各市の議員が、自分の市の問題点を持ち寄って、先生がコメントをしてくださって、進めていくということでして、その問題提起の書類を検討する1回目の時間でした。

 

 私は、次のように問題提起をし、補足説明をしました。

 

 関心領域

 職員定数、人材育成、行財政改革、ICT化

 

 現場の視野からの問題提起

  平成22年4月1日の職員数を350人削減した。人口増、業務増であっても国の通知に基づき行った。しかしながら、これに対応するためには、外部委託等の推進、ICT化などを同時に並行させていくべきなのに、それらには一切手をつけることができず、ただ単に、臨時・非常勤の職員に「頭数」を置き換えたに過ぎず、業務の見直し等も行わなかったため、本来の常勤職員と臨時・非常勤職員との明確な区別もできず、業務が行なわれている。

 

 今回は、とりあえず先生のコメントを頂いて、次回には今度先生が問題点に関する分析内容を記述して配布をいただけるということでした。

 

 とりあえずのコメントは「自治体経営」という部分では「末期的ですね。」と。

 

 お~。思わず思いました。言い切られちゃった。ってね。

 

 ところが、ちょうどその日に参加者に配布された先生の発刊したばかりの著書の内容を引用して解説・コメントをいただきました。

 

 ぜひ、皆さんお買い求めになって、よくよく噛み締めながら、読んでみてください。

 

 思い当たることがたくさんあると思いますよ。

 

地域を創る!「政策思考力」入門編

 

 です。

 

 で、この本で引用解説された部分を転載させていただきます。

 

 76ページ最終行です。

 

 X非効率

 

 たとえば、国や多くの地方自治体では、職員数の削減による組織・業務の最適化に努力してきました。しかし、人件費、職員数等表面的な数値による最適化を求める意思決定を行い、民間化等も含め行財政のスリム化を実現しただけでは、行政の効率化、そして住民の利便性を現実に最大化することは難しい状況にあります。なぜならば、政治や行政の中の意思決定や行動では、認識されない「見えない非効率」を残しながらスリム化の取り組みが進行するからです。予算額や人員数等を削減しても、従来展開してきた意思決定や行政の中の人間行動のプロセスに潜む「見えない非効率」を温存し続ければ、行き着く結果は「努力しても報われない実態」となります。

 

 見えない非効率は、日常、ルーティン的に実施してきた当たり前と認識している領域や、無意識化している領域に多く存在します。新たな制度の導入も導入過程、そして既存の見えない非効率を抱えたままでは合成の誤謬を発生させ、期待した効率化は実現しません。その結果、効率化に努力するほど行政の組織・機能が苦しくなり、スリム化努力が住民の利益に結びつかない実態をもたらします。「見えない非効率」を割り起こし排除することが必要となり、この割り起こしにおいて、重要なトリガーとなるのが、行政とは異なる民間化の視点であることは間違いありません。

 

 ここで指摘する民間化とは、民間組織体に公共サービスを委ねること自体ではなく、委ねたことを通じて民間の発想や視点を行政組織内に取り込み実践することを意味します。形式的な目標管理ではなく、そのプロセスの中に組み込まれたノウハウを公的部門も吸収し、民間の異なる視点から自分達の「当たり前」を再発掘することです。

 

 いかがですか?

 

 ちょっと読んでおいてください。次回コメントをしたいと思います。